act.14










翌日は日曜日だった。
静かな病棟も昨日とは少し違う雰囲気がする。


ベッドに横になっているだけでは退屈になってきて、ベッドのすぐ傍に置いてある車椅子にちらりと目を向けた。
松葉杖もあるから昨晩から移動することには大分困らなくなったと思う。
運のいいことに骨折は片足だけで済んでいたから、片足を支えてベッドに手をつきながら時間をかければ一人で車椅子に座ることができた。

今日は天気がいいから外に出たくて仕方ない。
あと、あまりに動かない時間が長くなりすぎてこのまま歩けなくなってしまうのではと思ったこともあった。
車椅子に座って動かし方を少しだけ練習してから外に出ようとドアノブに手をかける。

次の瞬間、向こう側からノックをされた。
コンコンと音がしてびっくりしてしまいドアノブから手を離す。
そして、車椅子をベッドの方まで動かして戸から離れてからどうぞと声をかけた。



「…失礼します」



自分を訪れた人物が誰なのか確認もしないで返事をしたから誰が入ってきたのか分からなかった。
主治医の先生かな、そんなことを思いながら戸の方に顔を向けた瞬間、表情が固まる。






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