act.2










生きてるってどういうことなんだろう。
何もかもが自分の思うように進んでいくって、初めはすごくびっくりするし嬉しいんだけど、そればかりが続いてしまうとだんだんつまらなくなってくる。

勉強は授業さえきちんと受けていれば学年一位がとれた。
運動は全くできないというのはいけないと思ったけれど、完璧にできる必要もないと思っていたから人並みかそれより少しできるくらい。
運動に関しては、打ち込んだところでそこまで上達する見込みがなかったから真面目にやりたいとは思わなかった。
けれど、大抵のことはなんでもできた。

おまけにあたしは自分でも唸ってしまうほど可愛らしい顔をしていると思う。
これ一つがある故に、周囲の人はあたしの機嫌を損ねないように気持ち悪いほど態度を変えていることに帝光中学校に入ってから気付いた。
距離を置かれているという違和感はあったけれど、自分が嫌な気分にならないで済むならそれでも構わないと割り切ることができた。
当たり障りのない関係だから刺激はあまりなかったものの、学校において人とうまくやっていくことは何よりも大切だと思っていたからこれでもいいのではないか。
学校生活にこれといった不満はなかったけれど、こんなもの一つでころころ態度を変える周囲の人に対して心のどこかでうんざりしていた。

思ったままに進んでいく人生はどこか味気ない。

だからこそ、純奈はあたしにとって新しく感じた。






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