act.8










『美里香、あのね…私、最近ちょっとだけ赤司先輩のことが気になってるんだ…』





その言葉を純奈の口から聞いた瞬間、これ以上ないほどに眉が引きつったことをよく覚えている。
目の前で頬を赤らめながら恥ずかしそうに赤司先輩のことを話す純奈に異常なまでの嫌悪感を覚えた。
それは今でも全く治まっていない。
あたしは別に赤司先輩のことなんて好きでもなんでもないのに、どうして?
時間が過ぎれば忘れてしまう、そんなことはとてもありそうになかった。
ただ目の前にいる純奈をずたずたにしてやりたい衝動、それだけがあたしの腹の中に込み上げてくる。それだけだった。

意識してしまった嫌悪感は忘れるどころか募るばかりで、こんな感情を抱いている自分に気付いたときは少しだけ怖くなった。











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