act.6










今日の授業が全て終わり、赤司はとある教室の前でそのクラスの帰りのホームルームが終わるのを待っていた。
赤司のクラスはもうすでに終わっていたけれど他のクラスはまだどこも終わっていないようだ。
しばらく待っていると、ホームルームが終わったのか教室の中から騒がしい声が聞こえてくる。
それからすぐに多くの生徒たちが出てきて、赤司は人の出入りがひとしきり落ち着いてから戸に手をかけた。

その瞬間、赤司が戸を開けるより早く内側から戸が開いて青峰がこぼれるように飛び出してきた。
けれど赤司はまるで青峰が飛び出してくるのが最初から分かっていたかのように動じない。
逆に青峰は、危ねええ!と大きな声を上げて急ブレーキをかける。



「な、なんだよ赤司かよ!こんなところまで来て何か用事でもあんのか…?」

「そんな顔をするな。今日は緑間に用事があって来たんだよ」

「緑間?ふーん、そっか」



赤司が手短に用件だけ告げるけれど青峰は大して興味がなさそうな様子だ。
頭をポリポリとかいて、それなら先に部活に行ってると言い残して体育館の方に行ってしまった。

青峰が見えなくなってから赤司は教室を覗く。
教室にはあまり人が残っていなくて、そんな中で机に向かって黙々と何かの作業をしている緑間の背中が見えた。
どうやら自分の世界に入り込んでいて赤司が来たことに気付いていないようだ。
赤司は足音を立てずに緑間の背中にそっと忍び寄る。
そして、後ろからそっと覗き込むと熱心に折り紙をしていることが分かった。






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