act.3
緑間先輩の厳しい口調がいつまで経っても頭の中から離れない。
『部活を辞めてほしい』
他の先輩たちも、あえて口には出さなかったけれど表情を探れば何を考えているのかはすぐに分かる。
最初の頃は美里香が話を訂正してくれるだろうと淡い期待を抱いていたけれど、それも呆気なく裏切られた。
美里香は私と先輩たちのやりとりを見ているだけだった。
副部長である緑間先輩から退部届けを強引に押しつけられてしまい、ぼんやりしながらそれを見つめる。
ずっとこんな風に時が過ぎるだけだと思うと頭が可笑しくなってしまいそうで、提出まではしていないけれど退部届けに自分の名前を書いてしまった。
昨日の出来事があまりにもショックで気付いたら名前を書いていた。
ああいうことは初めてではなかったけれど、そろそろ限界を感じてしまう。
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