act.19
先週までに比べると、部活へ向かう足取りは軽くなったような気がする。
一人で抱えているには重すぎる現実に少なからず押し潰されそうになっていたからかもしれない。
でも、今は違う。
あれだけ話したいと思っていた間宮さんと話すことができた。
そして自分が見たことを赤司くんに話して、これからどうするかを決めることができた。
今はそれだけで本当に気持ちが救われるようだった。
それでも現実を見ると、良いことなんて何一つない。
救われるようだと言ったものの、それはただ自分自身が感じていた罪悪感を勝手にすっきりさせただけだ。
今ここに間宮さんが戻ってきたとしても、今のここはとても間宮さんの居場所と呼べるような場所ではない。
間宮さんは何も言わないでほしいと言ったようだけど、それでも部内の間宮さんに対する反応は見ているだけで息苦しくなる。
間宮さんは、女の子なのに。
おまけに自分たちの後輩なのに。
どうしてあんなことにならなければいけないのだろう。
病院で見た間宮さんは本当に痛々しい姿だった。
心身ともに追い詰められているのが見ただけで分かるほどに。
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