…なんと思われても、仕方ないことだ。


心の中で自分自身に呟く。
こんなことになってしまって、どんな理由があろうと簡単に許してもらえるなんて考えていなかった。
今回の純奈の件については少なからず自分にも責任があると感じていた黒子は小さい溜息を吐いて病院の廊下を歩いていく。

最後に学校で純奈に声をかけたときに強引にでも引き止めて話をしていればこんなことにならなかったのではないか、と何度も思った。
今さら後悔したところで遅すぎると分かっていながらも思考を止めることができない。

日曜日の昼下がりだからか、病院の待合室にはたくさんの人がいた。
お見舞いに来ている人も多くて楽しそうな会話をしている人々の姿が目に入る。
今日はもう帰ろうかと思って出口に向かっていると前方から見慣れた人物がこちらに歩いてきていることに気付いた。
どうしてこんなところにいるのか、戸惑いながらも黒子はその人物に近付いて声をかけた。



「赤司くん」

「…黒子?」

「どうしてこんなところに…」

「それは僕の台詞だ。まさか…純奈に会いに来たのか?」

「…はい、少し…」

「…何か話したんだな」



見事に核心を突かれてしまい黒子は言葉に詰まって口を閉ざした。
事情を察したのか赤司は口元に手を当てる。
何も理由がなく黒子がわざわざこんなところまで来るはずがない、少し考えてから赤司は黒子に声をかけた。



「少し話さないか?純奈と話したなら、きっと今すぐに行ったところでまともに話せないだろう」

「え…いいんですか?」

「もちろんだよ」

「ありがとうございます…」

「行こうか」



これから特にすることもなくて時間を持て余していたから赤司がそう言ってくれて黒子は素直に嬉しかった。
もしかしたら、今はあまり一人でいたくなかったのかもしれない。
赤司の気遣いに感謝して黒子は後ろについていった。











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