「え?二年の間宮純奈の入院先を知りたい?」

「…」

「ふーん…しかし…今は行っても無駄かもしれないぞ。…病院に運ばれてから意識を取り戻してないらしいからな」

「…」

「…分かったよ。そういえば、彼女もバスケ部らしいな。…そこで少し待ってなさい」

「…」




二年生を受け持つ教員のところに向かっていく担任の姿を見て、少しばかり申し訳ない気持ちになる。
しばらくすると戻ってきて純奈の入院先が書かれた紙切れを手渡された。
一礼してから教員室を出ていく。


教員室を後にして、夕焼けに染まった廊下を歩きながら考え事をしていた。
気付けばいつも考えている。
…あの日のことを。

いつものように一日が終わっていくと思っていたのに、まさかあの場所であんな光景を見てしまうなんて思いもしなかった。

あのときに聞こえてきた悲鳴が今でも鮮明に思い出せる。
ぐっと唇を噛み締めた。



どうしても行かなければいけない。

何があっても、どんなことがあっても。





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