「ね、ねえ…青峰くん…今日はもう時間も遅いし、そろそろ帰らない?」
「さつき…そうだな、暗くなっちまったし帰るか」
「…あとは僕たちではなくて、部長である赤司くんと話した方がいいと思うんですが」
「肝心の赤司っちは先に帰ったんスね」
「…用事があったのだろう。とにかく、自分の問題なんだから早急に間宮から赤司に話しに行くのだよ」
「あ〜…ようやく終わった…」
桃井先輩の言葉によって、それぞれ切り上げようとバッグを手に取り、部室のドアの方に向かっていく。
そして、先輩たちは私には目もくれずに部室から出ていってしまった。
桃井先輩が出ていってから、最後に美里香が目の前を通り過ぎる。
そのとき、目が合った美里香はあのときと全く同じ笑みを口元に湛えていた。
…なんで?
…なんで、こんなことになったの?
何も分からないよ…どうすれば、よかったの?
誰か…助けて…。
一人残された暗い部室には、啜り泣くだけが静かに響いていた。
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