みんなと別れて一人きりになったとき、急速に何かが込み上がってくるのが分かった。
今のあたしには、その正体が何なのか分かっている。


あたしにこんな思いをさせた純奈を、許さない。

何か問題が起こると、純奈が相談をしてきてあたしがすぐに助けてあげたりしていたのに純奈はあたしを助けるどころか評判を悪くする一方だ。
純奈のせいであたしまで暗そうだのパッとしないだの言われることには堪えられない。
それどころか、キセキの先輩たちの関心まで一人で集めてしまうなんて。

その上、赤司先輩のことが気になってる?…笑っちゃう。
赤司先輩は純奈が想像している以上に遠い存在の人なのに、そんな人があんたみたいな子を見てくれるとか、そんなこと少しでも本気で考えてるの?
あの頬を赤らめて話す純奈を思い出すたびにイライラしてくる。

それでも、あのときキセキの先輩たちが話していたのは純奈のことばかりだった。
自分でも信じたくないけれど、あたしはまるで純奈のおまけという程度にしか触れられていなかったのはれっきとした事実だ。
許せない。
純奈のせいでこんな思いをすることになったなんて、辛くてどうしようもない。
純奈なんてもうどうでもいい。

きっと純奈と長いこと一緒にいたせいで、あたしは知らない間に落ちぶれていっていたんだ。
だから先輩も純奈の方に目を向けてしまったんだ。

どうにかして、あたしの評判を取り返したい。
もともとそれはあたしのものだったのに、純奈が何もかも悪いのよ。
あの先輩たちに一番にあたしのことを見てもらいたい。
あたしはみんなに見てもらうだけのものを持っている自信がある。
純奈にそんなものあるわけないんだから、当然でしょ…?











×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -