『…純奈ってさ…あたしの友達なの?』


見咲美里香。

帝光中学校に入学してから初めてできた友達。
人見知りな性格のせいで友達の少ない自分にとっては自慢の友達だった。
親友と呼んでいいのか分からないけれど、私は美里香のことを親友だと思っていた。


…一ヶ月前までは。





『あんまり友達ヅラしないでほしいんだけど。純奈の友達だと思われると、あたしまで変な子だと思われるから』





突然のことで状況を理解できなかった。
けれど、時間は私が理解をするまで待ってはくれない。
それでもどうして美里香がこんなことを言い出したのか教えてほしかった。

放心してしまい、言い返す間もなく美里香は話を続ける。
その表情からは罪悪感なんて微塵も感じられなかった。


『つまんない奴。ぜーんぜん面白くないし、ださいし、頭もそんなに良くないし』


美里香は変わってしまった。

美里香に誘われて、帝光でも有名な男子バスケ部に入部して女子マネージャーになった。
運動が得意な方ではなかったけれど美里香がいるなら大丈夫かもしれない。その思い一つでついていった。
…同時期にバスケ部に入った女子たちがハードな活動で次々と辞めていく中、美里香と励まし合いながら続けてきたのに…。
ようやく、憧れの人たちの傍に置いてもらえるようになったのに…どうして、いきなりそんなことを…。

あらゆる罵声を浴びせる美里香はとても楽しそうだった。
けれど、その笑顔の下には何か別の感情が入り込んでいるような気がした。


『あたしとずっと一緒にいたから自分も可愛いとか勘違いしちゃったわけ?』





どうしてなんだろう。

美里香がそんなことを言うなんて…分からない…。











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