がっかりしてうつむく純奈を横目で見て、青峰は思いついたように呟いた。



「…まあ、今日でお前のことも少し分かったし、今度から見かけたら声くらいはかけてやるよ」

「え…!?」

「さつきからも言われてたんだよ。マネージャー無視すんなって」

「む、無視してたんですか…!?」



衝撃の事実を知ってしまい、戸惑いを隠せなかった
マネージャーからの挨拶を無視する青峰先輩。
その光景が容易に想像できてしまうだけに辛い。
私の反応があまりにも大きかったからか、青峰先輩も若干動揺している。



「な、なんだよその顔は!俺が覚えてないってのもあるけど、知らない間に辞めてたりするんだからな」

「辞めてるのは仕方ないかもしれないけど…」

「ったく!覚えてるっつーの!お前とよく一緒にいるの、美里香だろ。名字は知らねーけどな」

「…すごい、あってます」



私が思っている以上に、青峰先輩はマネージャーのことを知っているのかもしれない。
まさか、美里香の名前まで出てくるとは思わなかった。
全ては桃井先輩のおかげだろう。
声をかけてやるなんて、そんなことを言ってもらえるだけでも嬉しかった。



「…無理されると寂しいから…挨拶したら、返事してくださいね」

「…努力はするわ」



急に素直な一面を見せる青峰先輩が、やけに可愛らしい。
思わず微笑んでしまった。
その反応が気に喰わなかったのか、青峰先輩は微妙な表情を浮かべている。
しかし、こちらに顔を向けた瞬間、目を見開いた。
それにつられるように青峰先輩の視線の先にある自分の手元に目を落とした。



「おい、アイス溶けてる…しかも当たってるじゃねーか」





リクエストありがとうございました
back 
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -