学校を出て、そこから一番近くにあるコンビニに立ち寄った。
二人でアイスの入っている冷凍棚の前に行って、中を覗き込む。
どうやら、青峰先輩はもう買うものが決まっていたのか、すぐにアイスに取り上げた。
これがいいと思ったものは特に見当たらず、同じものにしようと手を伸ばす。
手に取った瞬間、隣にいた青峰先輩にそれをひょいと取り上げられた。



「あーめんどくせえから買ってやるよ」

「え!?そ、それは…」

「いいからいいから。アイスくらい気にすんな」

「あの…」



背が高いせいで、手が届かなかった。
もうすでに財布を片手に持っていたけれど、そんなことはお構いなしに青峰先輩はレジに向かっていく。
申し訳ないと思っていながら、何も言い出せなかった。

コンビニの外に出て、青峰先輩からアイスを手渡される。



「あ、ありがとうございます…買ってもらっちゃって。今度、ジュースか何か奢りますね」

「おう、楽しみにしてるわ」



純奈の言葉を大して気に留める様子もなく、青峰はアイスを齧った。
それを見て、自分も溶けてしまう前に早く食べようとアイスの袋を開ける。

不思議でどうしようもない。
青峰先輩と、こんな風にアイスを食べながら帰るなんて、数時間前の自分は考えもしていなかっただろう。
そのまま歩いていると、青峰先輩がこちらに目を向けてきた。



「純奈、か」

「あ…はい、なんですか?」

「そういや、さつきだけじゃなくてテツも話してたな」

「テツって、黒子先輩のことですよね…?」

「そうそう」

「黒子先輩は、ちょっと前に部活で助けてもらったことがあって…」

「あーそういうことか」






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