あれからほどなくして黒子たちが待合室にやってきた。
全員が落ち合ってから、すぐに病院を後にする。





「……」

「……」



駅までの道を歩いている間も、大勢でいるはずなのに会話が一切ない。
それぞれが何か思い詰めた表情で歩いている。
病院に向かうまでの行きの空気の面影は今は全く残っていなかった。

この状況を把握しているのかいないのか、紫原のスナック菓子を食べる音しか聞こえてこない。
いつまでもマイペースな紫原を見て、黒子は小さく息を吐いた。



「……」



地面を見つめたまま、間宮さんのことを考える。
諦めろと赤司くんに言われたからあのときは頷いたけれど、だからといって考えないでいられるはずがない。
いくら気にしないようにしようとしたところで、できそうになかった。


誰も口を開こうとしない。

今日の出来事を黄瀬くんや緑間くんの口から赤司くんに伝えられることは避けたかった。
決して彼らを信用していないというわけではないが、今日の様子から無意識にでも話を誇張して伝えてしまうかもしれない。
あの赤司くんのことだから、誰かが何か話をしたところで鵜呑みにはしないだろう。
自分の話さえ、ときどき本当に信じてもらえているのだろうかと不安になるときがあるくらいだ。

でも、それでも自分が赤司くんに伝えたかった。
















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