あんなの、本心じゃない。

大嫌いなんかじゃない。

本当はすごく好きなのに、衝動的にあんなことを口走ってしまった。

絶対に言ってはいけない言葉だったのに。



そして美里香の顔を見たとき、気付いてしまった。
怒りや恐怖という感情が渦巻く中、変わってしまった悲しみを感じなくなってしまうほど、美里香を嫌いになりきれていないということに。
嘘でも以前のように屈託ない笑顔を向けてくる美里香を見ると、心の中に張り詰めていた糸が緩んで解けてしまいそうになる。
美里香ほど仲の良い友達が他にいなかったとはいえ、これまでどれだけ美里香に依存していたのかを痛感してしまった。

まだ大切に想う気持ちを抱いているなんて、気付いたところでどうすればいいのか。
こんなこと、本当に、本当に知りたくなかった。


もうバスケ部にはいられないかもしれない。
今日の出来事の内容が赤司先輩の耳に届くのも時間の問題だろう。
さすがの赤司先輩も、私の感情的な発言には呆れ果てて見限ってしまうに違いない。
自分の手で、もともとあった亀裂をより深いものに、もはや修復できないほどに抉ってしまった。


今、自分がどんな顔をしているのか全く想像できない。
沈み込むようにベッドに横になり、何もかもから逃げるように布団を深くかぶった。

何も考えたくない。

あんなバカなことを言って、私は何がしたかったのか。
















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