「友達が話してたんだけど、あの子って援交してるんでしょ?街で気持ち悪いオッサンと一緒にいるとこ見たんだってー」

「えー!?まあ…大人しそうな人ほど裏で何してるか分からないって言うからね…」



全身が凍りついた。
背筋が寒くなり、無意識に足が震える。

今まで色んな噂を流されていることは知っていたけれど、まさか援助交際をしていると陰で言われているなんて知らなかった。
想像もしていなかったことに動揺してしまい歩いていた足が止まりそうになる。
けれど、こんなところで唐突に立ち止まるわけにはいかない。
それこそ注目の的だ。


早歩きで学校に向かう途中、ずっと考えた。

こんな噂が先生の耳に入ったらとんでもないことになる。
昨日、青峰先輩が口にした噂というのはこのことだったのかと絶望を感じた。
つまり、バスケ部のほとんどの人は何も言わなかったけれどこの噂を知っていたということだ。


…そんなこと、するわけないのに。

先輩たちは…私がそういうことするような人だと思ったの…?


それから、どうやって学校に行ったのか覚えていない。
学校でどのように時間を過ごしたのかも覚えていなかった。

気付いたときには昼休みになっていて、私は退部届けを手に三年生の教室に向かっていた。
















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