最近、見咲さんは変わったと思う。
以前と比べて、なんというか、こんなことを思っているのは自分だけなのかもしれないけれど、近寄りがたい雰囲気を感じさせた。
正直、間宮さんと仲良くしていたときの見咲さんの方がよかったかもしれない、なんて思ったこともある。
急に派手になったような、今まで関心のなかったことを突然するようになったというか、最初は仲の良い黄瀬くんの影響を受けているだけかと思っていた。

それでも部活に対してはとても献身的で、自分に対しても他の部員に対しても分け隔てなく優しく接してくれていた見咲さんだ。
だから少しばかり雰囲気が変わったところでなんてことはない。そう思っていた。

間宮さんと見咲さんの仲が悪くなったのは、きっと部活の誰もが気付いていただろう。
だけど、女子同士のよくある喧嘩の延長のようなもので時間さえ過ぎればまた元のように仲良くなる、なんて余裕のある目で見ていた。

でも、見咲さんが突然あんなことを言い出してから変わり始めてしまった。



『誰にも言えなかったんですけど…あたし…純奈には、これまで…色々、酷いことされてて…』



気落ちした声でそんなことを話す見咲さんに、黄瀬くんなんて動揺を隠しきれていなかった。
もちろん自分も動揺してしまった。
あの間宮さんが見咲さんに酷いことをしているなんて想像もつかなかったからだ。
そんなのは何かの間違いだ、みんなは間宮さんの人柄から間宮さんのことを信じていた。
そのときまでは。

それから間宮さんの悪い噂が僕たちの耳にまで届くようになり、その悪い噂は部内の信頼をどんどん薄めていった。
そして、いつからか見咲さんの肩を持つようになっていたことは言うまでもない。
気付けば、間宮さんは本当のところはそういうことをするような人なのだと考えるようになっていた。


そんなこと、とてもできそうにないのに。

…信じてあげられなかった。











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