05



ご飯を食べたあと食器を片付け荷物整理を再開。もう軽トラに荷物はないので各自の部屋の片付けだ。

ちなみに俺たちの部屋は二階にある。


「すみません仁王君…。」

「いや別によかよ、あと名前。」

「あっ…慣れるまで大変ですね。」

「じゃな、あと別に部屋は一緒でもいいきに。」


そう俺と柳ぎゅ…ゲフン、ヒロん部屋は一緒。

本当は一人部屋があっのだが姉貴が友梨亜ちゃんに部屋が無い(寝室に両親と一緒)と分かると俺の部屋をぶんどって友梨亜ちゃんにあげた。

まぁ友梨亜ちゃんにあげても別にいいんだがこの部屋にベッド2つ入らんよな…。


「父さんが今度二段ベッド買うと言ってたのでそれまでは布団ですね。」

「じゃな。」


二人でベッドを置くところを大体決めてそこ以外の所に机やら棚を置いていく。やはり荷物が少ないのですぐに終わった。


「雅治、本当に荷物これだけですか…。」

「おう。」

「貴方の部屋に行った時も思いましたがね。」

「引っ越す言われたから結構捨ててきたからのぅ。」


唯一持ってきた私物はダーツセット。このセット中学ん時小遣い貯めて買ったんじゃよね。


「まぁ入りきらないって事になるよりは良かったですね。」

「たしかに…。」


姉貴らへんは今頃苦戦していそうだ。


「早智ぃー役所行ってきたぞ。」


そう言いながら階段を登ってきた父さん。

役所?
そんなことを考えていたらヒロに話しかけられた。


「あぁ籍を入れてきたんでしょう。」

「あぁなるほど。」


と、いうことは今日から正式に『仁王』とはバイバイか。十数年お世話になってきたこの苗字に別れを告げるのは少し寂しかった。自分は案外女々しかったようだ。
そんな事を頭の中で考えていると部屋にノック音が響き、父さんが部屋に入ってきた。


「比呂士、雅治お前ら保険証今持ってるか?」

「ええ持ってますよ。」
「ある。」

「ちょっとそれ貸して、なんか保険証も色々変わるらしいからそれもやってくるわ」

「分かりました。」
「頼みます。」


そういって保険証を渡すと父さんはまた家を出て行った。どこにも居ないと思ったら事務関係の事やってたんじゃな。


「雅治。」

「?なんじゃヒロ。」

「珍しく敬語でしたね。」

「まぁ父さんはまだ慣れんからの。」

「10年以上会ってませんでしたからね。」

「それはヒロも一緒じゃろ。」
「まぁ。」




「頑張るしかないのぅ。」

「ですね。」


兄弟とは段々と打ち解けあえている、姉貴と友梨亜ちゃんも仲がかなりいいし。

《敬語を無くす!》

これを2人で目標にした。




(でもヒロっていつも敬語じゃろ。)
(確かに、では名前の呼び方を気をつけます。)
(じゃな、打倒父さん!)
(目的変わってますよ。)

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