04
あの衝撃の事実発表から初の週末。俺らは柳生の家に来ていた。
「でか…なんか前よりでかくなっとらん?」
「ええ、最近増築しましたし。」
「増築って…。」
「父はこの日を楽しみにしていましたからね。」
そう言って柳生は笑った。
「そか」
自然と俺も笑ってた。
□□□
「さてと、やるかのぅ。」
姉貴がレンタルしてきた軽トラの後ろにはタンスやらダンボールなどが詰まっている
大体の荷物は女性陣の物だがな、俺の荷物は元々部屋に物をあまり置かないタイプだったので教科書で1つ、衣類で2つくらいで足りた。
まぁそれに入らなかったのはテニスバックに詰め込んである、と言ってもテニス関係の物しか入って無いがな。
「よいしょっ。」
教科書が入っている一番重いダンボールをとる。
「柳生、この上にその"雅治 服"って書いとる2つ乗っけてくれんか?」
「これですね。」
そういうとダンボールを1つ乗っけて柳生は他のダンボールと俺のダンボールを取った。
「気ぃ使わんでよかよ、持てるきに。」
「そっちに入っているのは教科書でしょう?こちらは持ちますよ。」
「んじゃお言葉に甘えようかの。」
「はい。」
その後も俺らが軽トラから荷物を運び込みそれを姉貴とおかんが各自の部屋に運び込むという流れ作業が続き軽トラの上にあった荷物は無くなった。
「あ゛ぁ疲れたなり…。」
「お疲れ様です。」
「疲れたついでに腹が減ったぜよ。」
「あぁそれでしたr「雅治ー!ヒロ君!ご飯だよー。」…出来たようですね。」
そのおかんの声に喜び家に飛び込んだ。
「うまそうやのぅ。」
ダイニングのテーブルに乗っているのは美味しそうなミートソースのかかったスパゲティ。レトルトの様でも無く、手作りしたであろうことが伺える。
「私と友梨亜ちゃんで作ったのよ!ね♪」
「はっはい!」
姉貴にいきなり話を振られて友梨亜ちゃんはビックリした様子だった。
「友梨亜ちゃん上手じゃのう。」
「あっいや、その…ありがとうございます。」
顔を赤く染めながら慌て不為居ている。妹もええのぅ、別にロリコンとかの意味では決してない。
そして1つ気になってたこと。
「友梨亜ちゃん、別に敬語で話さんくてよかよ?」
ずっと気になってた事である。
「あっでも、それにお兄ちゃんも敬語ですし…。」
「柳生は家でも学校でも敬語なり、友梨亜ちゃんは学校では敬語じゃないじゃろ?」
すると友梨亜ちゃんはビックリしたようでまじまじと俺を見てきた。
「なんで分かったんですか?」
「見てれば分かるぜよ、じゃから敬語はいらんなり。」
友梨亜ちゃんは父さんや柳生らと話しとる時たまに敬語じゃなくなる、だからな。
「でも…。」
「友梨亜、仁王君達はもう家族なんですから良いんですよ?」
「…うん、分かった!でもお兄ちゃんも仁王君って可笑しいよ。」
俺も思っとった。もう仁王じゃなくなるからのぅ。
「あぁそうでしたね、どうも今までの癖が抜けなくて。」
「まぁ4年も"仁王君"呼びじゃったらのぅ、みんな柳生になるしヒロ呼ばして貰ってもよか?」
「ええ勿論、では雅治と呼ばさせて頂きますね。」
「おう。」
一歩家族に近づいた。
(今度は友梨亜ちゃんじゃなくて"友梨亜"って呼ぶぜよ。)
(ええ友梨亜も喜びますよ。)
(じゃあ柳ぎゅ…ヒロも姉貴ん事"遥香さん"じゃなくて"姉さん"って呼ぶくらいしなきゃの。)
(…努力します。)
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