02


パコーンパコーンとボールを打つ音がコートに響く

柳生は委員会のあとに用事があるので部活を休んだ、そのため今日俺は真田達に混ざってシングルの練習をしとる。全国大会以来のシングルスかの。
久しぶりにやるシングルの試合はダブルスと違った楽しみがあり時間は早く過ぎていった

そしてコートから見える時計を見るともう学校を出なくてはいけない時間を過ぎていた


「げ…。」

おかんはともかく姉貴は時間に煩いから急がなくては。


「参謀、これから用事あるから帰るぜよ」


近くにいた参謀こと柳に理由を告げシングル練習コートを離れた、柳は少し不思議そうな顔をしていたが何も言わなかった。
部室に行き手早くユニフォームから制服に着替えラケットをカバンに詰め込み部室を飛び出る。


「仁王どうしたの?」


練習中に制服で飛び出た俺を幸村が止めた


「幸村、今日用事あるから帰る。」

「用事って大事なやつかい?」


「おん、父さんに会いに行く。」



立海のレギュラーとはもう4年近く付き合っとるから家庭の事情も知っとるやつが多い。
そん中の1人が幸村。あとは柳と柳生らへんが知っとるかな。


「!そう、行ってらっしゃい。」


「おう、行ってくるぜよ。」


そう言ってコートをあとにし、学校から近い駅から電車に乗り横浜を目指す。




□□□




「でか…。」


おかんに言われたホテルに来てみれば馬鹿でかい建物の中にあっても引けを取らないでかい建物。高校生が入るには少し気が引けるが仕方がないと腹をくくり中に入った

エントランスにいるお姉さんに聞くかの。


「すんません。」

「はい、どうなさいましたか?」

「ここのレストランに仁王早智と仁王遥香っちゅー人居ると思うんやけど案内してもらえんか?」

「連絡を取りますので名前を聞いてもよろしいでしょうか?」

「あぁ仁王雅治っていいます。」

「分かりました、少々お待ちください。」


プルルルと電話をならす、少しすると相手が出たのか話をしている。
少しの会話のあと電話を切った。


「大変お待たせいたしました、ただ今案内の者が来ますので。」

「ありがとございます。」


「お待たせしました。」


後ろから声をかけられ振り向くといかにもホテルで働いてますという顔の男がいた。


「どうぞこちらへ。」


そう言われたので男の人のあとをついていく。
少し歩いた先にあったレストランに姉貴とおかん、そして父さんっぽい人と女の子がおった。


「雅治遅かったわね。」

「部活が長引いたんじゃ。」

「まぁいいか、雅治覚えてる?」


そう言われて見た先には父さんがいた。
実際その質問に答えるとなると大して覚えてはいない、でもよく遊んで貰った記憶はあるような気がする。


「まぁ少しは…んでこの子は?」

「この子は貴志さんの子供で友梨亜ちゃん。」

「あの…初めまして…柳生、友梨亜です。」

たぶん人見知りをしているであろう友梨亜ちゃん。たどたどしく答える所がまだ可愛く思えた。

だが少し引っかかる。
柳生…友梨亜ってたしか柳生の妹も友梨亜ちゃんじゃなかったか……。


「あっ戻ってきたわね、ヒロ君。」

「申し訳ありません、部活の部長から連絡がありまして。」

「大丈夫大丈夫!あっ雅治、覚えてるでしょ?アンタの双子のお兄ちゃんのヒロ。」


……ヒロ?


言われてみれば俺は双子だっただが物心つく前に生き別れになってしまったらしく顔なんか覚えていない。それに小さい時の顔なんて高校生にもなったら分かるわけないと思う。

でも確かにいた、一緒に遊んだ記憶もある。
そう、名前はヒロだった。

だが今目の前にいるのは。



「…柳生?」
「…え、仁王君!?」


俺のダブルスのパートナー兼親友の柳生比呂士だった




□■オリキャラ
仁王早智(さち)
┣仁王の母
┣明るく元気
┗建築関係の会社の事務

柳生友梨亜(ゆりあ)
┣柳生の妹
┣小学校五年生
┗かわいい系の子

柳生貴史(たかし)
┣柳生の父、再婚相手
┣お医者さん
┗どこか抜け出そうな顔をしている

- 2 -


*前|次#
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -