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「両チーム整列してください!」

「これより二回戦第四試合、1年A・B組vs2年E・F組の試合を始めます、礼」


「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」


チームの半分が声を出して礼をする、もう半分は礼だけをし相手チームの面々を見渡す
俺も例外ではなくA・B組の面子を眺めるのだがそこにはやはりあいつが居った……


「部活仲間だろうと容赦はせんぞ!」

「部活でも容赦無いじゃろうが…」

「雅治、聞こえますよ」

「聞こえても別によかよ」


相手チームには何回見直してもテニス部元副部長の真田弦一郎がいる
はぁ…
この試合の10分間松岡修造並のテンションの真田を相手にするかと思うと気が滅入るの

試合は1セット10分、2セット先取で行われる
3セットまで行っても引き分けの時は内野に当てた数の多いチームの勝ちとなる簡単なルール
だが結構奥が深いもので当たってもその当たったボールが地面につく前に味方がそのボールをキャッチすればセーフになるなどの細かいルールも存在する


ピー!!

そんな審判であるハンドボール部員の笛を合図に試合は始まった。

当てたら当て返される、そんなどちらも引かない攻防を幾度と繰り返す。
試合が始まって第一セットも残り1分となった時コートの中には俺、柳、白石、真鍋さんの4人と相手チームの真田、あとは名前は分からないが男子3名、女子1名が残っていた。これは非常にマズい、4対5でこちらが不利である。しかも残り時間は無い…。どうしようかと悩んでいるうちに試合終了の笛が鳴る。

「第一セットは5対4で1年A・B組の勝利です!」

A・B組は勝った事を喜びドヤ顔をこちらに見せつけてくる、誠に腹立たしい。

「すまん、雅治くん。」

「ええよ、あの至近距離で真田の豪速球食らって保健室送りにならんかっただけで十分すごいからのぅ」

そう、先ほどの第一セットで白石はセンターラインギリギリのところで投げようとしたところボールを落としてしまい、逆に間近で真田の球を受けた、しかし白石はそれを尻餅だけで済ませて外野へ旅立った。

「白石、仁王、問題は次の試合だ。」

「「?」」

「次の試合では白石は外野だ」

「あ」

「あ、せやった」

「柳生が内野となるから先ほどの双子パスは使えないぞ。」


双子パスって参謀…
第一セットでは高仲さん、落合さん、ヒロの3人が元外であった。
E・Fの作戦では女子に内野は危険なので出来るだけ外野に回した。しかし全員が女子では力の差でボールを取られてしまうかもしれないのでその中にヒロを投入した。外野は外野に来たボールを取りこぼして外野の後方にあるラインをボールが越えてしまうと相手ボールとなってしまうらしい、だから女子には出来るだけボールを取りこぼさないようにボールに触れる。触れさえすればこちらのボールとなり、ヒロが攻撃に転じてくれる。

と、いう作戦で内野男子5人、女子3人、外野3人で頑張っていたのだがメンバー登録用紙を間違ってしまい第二セットでは俺とヒロが入れ替わるだけの予定が白石を外野に登録してしまっていた。記入をミスしてしまった真鍋さん、もといE組の女子学級委員さんにドッジメンバーはとても謝られた。柳が言うに彼女は責任感が人一倍強いらしく未だに気にしているらしい。それを聞いた真鍋さん以外のドッジメンバーは第二セットで負けたら真鍋さんが自分のせいだと考えてしまうのではないか、という結論に至った。

よって試合に負けたとしても第二セットだけは落とせないのである。
そして毎度思っているがE・Fはお人好しが多い、嫌いじゃないがの。



(勝つぞー!)
((((おー!))))

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