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一週間前に決定した種目の練習を重ねついに本番である
【1.開会の挨拶、球技大会実行委員長峰岸君お願いします】
「はい!」
委員長である峰岸とかいう先輩は元気よく返事をすると壇上へ上がっていった、丸刈りな所を見ると野球部か何かであろう
「のぅ参謀」
「なんだ仁王」
「今日って試合あった?」
「ああ、E・Fはシードだから午後からあるな」
「シードじゃったんか」
「引き当てたからな」
「流石じゃのぅ」
参謀との話も一段落して体を壇上に向けると委員長の姿は無く校長先生が壇上から降りていた
いつの間に…
【では競技を開始します、みなさん水分補給はこまめに取りましょう】
「うっし、終わったか」
「だな、白石と柳生を拾いに行くか」
「だな」
ヒロと白石は開会式が始まる前に飲み物を買いに出かけたのだが、すでに人でごった返している体育館の中で前列に割り込む事は出来なかったようだ
と、まぁそんな内容のメールが先程来たから列の後ろに探しに行くか
「にしてもE組のTシャツ派手じゃのぅ…」
参謀の着ているTシャツはショッキングピンクの生地に黒でイラストやら、でかでかと"1−E"と描かれていてとても派手、まぁ参謀っぽくない
「まぁ女子がデザインしたからな、仕方がない」
「こっちは男女どっちでも大丈夫そうなデザインじゃから良かった…」
「仁王達ならピンクも似合うと思うがな」
「……そうか?」
「俺よかな」
ちなみにF組のTシャツは赤に黒のイラスト、赤に黒って結構見にくいがここはEと統一してみたらしい
まぁ確かに参謀と並んでいても大した違和感が無いからの
「あ、雅治君おった!」
「合流出来ましたね」
「人が多すぎて分からんくなりそうじゃ」
「まぁ合流できたからいいだろう」
「…あれなんやろ?」
白石が指差す方向は俺の真後ろ
何かあるのだと思い後ろを見るがあいにくそこにはカラフルなTシャツしかなかった
「?なんも無いぜy―――っ!!」
背中になんか入った!
なんなん!?何が入っとるんじゃよ!?!冷たい!!
「白石何入れたんじゃぁぁぁあ!」
「いやー購買混んでてなあとで飲み物買いに行くん大変やと思って買ってたんやわ」
「背中に入れんでええじゃろうが!!」
「ナイスリアクション☆」
うぜー
この白石うぜー
舌を出してペコちゃんの様におどける仕草を可愛さを通り越してうざさしかなかった
(はー、疲れた)
(なかなかに面白かったぞ)
(参謀はな…)
(まぁさっき柳生君にもしたんやけどな)
((柳生/ヒロお疲れ))
(はは…)
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