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「腹減った」


俺の腹が3時間目からすごい鳴っている
早弁しようにも今日は母さんが家を出るのが早かったから弁当を作ってもらえなかった
この事は前日から俺もヒロも知っていたのだがお互い寝坊した


「まぁお昼になりましたし食べますか」

「ヒロ、今日弁当ないじゃろ」

「あ」

ヒロは普段のように鞄の中から弁当を取りだそうとしていたがそこに弁当が入っていることはありえんのじゃ


「なんや雅治君に柳生君、弁当ないんか?」

白石はヒロの後ろから顔を覗かせている


「母さんが作れんかったからな、じゃがその代わりにお金貰ったから食堂行くぜよ」


母さんは俺らが寝坊すると見越していたのかヒロと2人で何か買って食べるようにと野口英夫さんを置いていった、母さんグッジョブ!
購買でパンを買って早弁することも可能じゃったがせっかくだから食堂に行こうと我慢しとった


「せやったら俺もついてくで!立海の食堂…かなり興味あるわ」

キラキラと目を輝かせている白石
こいつは私立の食堂に何か期待しているのだろうか


「雅治、お金ちゃんと持ってきましたよね?」

「おう」

「じゃあ行きますか」


そう言って3人は立ち上がり各自財布やら弁当を持って教室をでる
白石とヒロに食堂の場所とりを頼み俺はE組へ参謀を呼びに行く

白石と参謀がダブルスを組んだ試合あたりから参謀は昼休みにF組を訪れる事が多くなったからの


参謀はお昼を食べるグループを固定しておらず真田や幸村ん所行ったり、丸井の所に行ってお菓子を与えていたり(周りから見てると餌付けのようで笑えた)俺らの所に来たりとマイペースじゃったの

まぁマイペースなんは変わらんがな
取りあえず今日参謀が俺らの所に来るという約束をしているわけではないが参謀に食堂に行く事を伝えなければ入れ違いになってしまうからな

参謀も一緒に食堂いかんかのぅ、とか思ってE組に行くがE組には人気が全くない


あ、移動教室じゃったんか失敗した
仕方がないと腹を括る、参謀すまん


「仁王何をしている?」

「っ!参謀ナイスタイミング!」


「は?」

「今から食堂行くんじゃが参謀一緒にいかんか?」

参謀の荷物をみると化学だったようだ"化学T""化学図説"とかが見える


「食堂か、たまにはいいな」

「ヒロと白石は場所取りに行っとるから行くぜよ」

「ああ分かった、教室に荷物置いてくる」


参謀は教室に入り参謀の席と思われる窓際から2列目前から……5番目?あたりの席に教科書を置き財布と弁当を持って来た


「待たせたな、行くか」

「おう」



(参謀何食べる?)
(弁当もあるからラーメンとかは遠慮したいな)
(参謀は弁当もあるもんな)
(チキンとかポテトが残っていたら買うな)
(なるほどの、ポテトじゃったら少しくれ)
(ああ、お前はどうするんだ?)
(見てから決める)

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