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丸井は本当に帰ったらしくあいつの居るべきB組の列に赤髪は見えなかった


関Tに髪を染められた後関Tは思い出したように「じゃっ俺授業戻るわ!」とだけ言い残して中等部へ戻っていった


教室に戻る…って事も考えたが全員体育館にいるから教室は施錠されている
やはりここは体育館に戻るのが一番安全かのう…

屋上に行くっていう手もあったが生憎先ほどから夕立が降り始めている、外に行ったら確実にずぶ濡れだ


まぁ7限目の出席を取るために残り数分で終わる集会に参加しようと思った
本当は戻りたくないが


+++++++++


体育館はやはり賑わっていて生徒生徒生徒とごった返していた

半端じゃない人口密度じゃ



「あっ柳生君いいところに!E組の検査終わったんだけど、柳君から調査表貰ってくれる?」

「は?」

「よろしくね!」


それだけいうと女子はどっかに消えた
たしか今の子はE組の学級委員じゃったか?名前は……思い出せん

今の女子の名前を思いだそうと入り口付近で考えていると上の方から声が聞こえた


「柳生丁度いいところにいたな」


あ、そうかみんなヒロと勘違いしているんか
つか参謀は気づくべきだと思うんじゃが……まぁええか



「参謀、俺は柳生じゃなか」

「ん?」

「あー柳生っちゃ柳生じゃが柳生雅治じゃ、仁王君です仁王君」

「な、んだと」

「ほんまほんま」


参謀は驚きのあまりか開眼しちょる
ほんまに参謀は俺らを見分けるのが苦手だな…


「言われてみれば眼鏡が無いな」

「判断基準眼鏡かい」

「いやあとホクロだ」

「あー」



いや、まぁ眼鏡とホクロの有無はみんな気にしてみるが参謀…お前さんは4年一緒の部活してて参謀とか言われてるんじゃぞ


「まぁええか、ほんでヒロはどこ行ったん?」

「恐らくF組の検査中か生徒会で集まってるな」

「なーるほど大変じゃのう生徒会も」

「まぁ慣れだ、そしてお前は関本先生に染められたのか」

「おー」

「これで俺達の代で関本先生に髪を染め直された生徒は12人……生き残りは丸井だけか」


参謀生き残りって、例え方がおかしいじゃろ
でも…まぁ生き残り、じゃな


「まぁこれで先輩とか先生に目つけられなくなるならええか」

「見分けもつかなくなるがな」

「データで見分けんしゃ「無理だ」…」




(参謀中1ん時から間違っとったの)
(水泳帽を被るのは卑怯だ)
(まぁ髪見えんくなるが…被んなきゃプール入れんじゃろ)
(関本先生何故染めた…!)
(……参謀)

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