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書道室から直接体育館へ向かうともうすでにクラスごとに整列していてF組の最後尾には白石がいた


立海は集会などの時は出席番号順で白石が後ろにおったから説明をしようとしたが主任が早く整列しろ、と急かすから俺は軽く挨拶をして前へと進んでいった


少ししたら集会が始まった、今回は何について話すんかのぅ
選択授業については5月ごろにすでに集会をしたし盗難が多いわけでもない


「では今から抜き打ちの制服、頭髪検査を行う」


まさかの頭髪検査オンリー

普通は何かしら話してからさり気なくそちらへ持って行くものでは…



「仁王、丸井ちょっと前に来い」


は?
名指しでまで呼ばれるんか、少しあきれ気味に顔を上げ呼ばれた方向―体育館ステージ―を見ると


「せっ関T…」

な、なぜコイツが高等部に

「今日こそお前らの頭を染められるかと思うと嬉しくてなぁ、中等部の授業を抜けてまで来てやったよ」

ステージ上でワイヤレスマイクを握りながら嫌な笑顔で笑う関T

そう、関Tとは中等部のころ俺や丸井と言った髪を染めている奴の髪を片っ端から黒に染めていった先生
ちなみに英語教師


「……腹が痛いから保健室に…」


まだ関Tに見つかってはいなかったから一目散に保健室へ逃げようとするが誰かに腕を掴まれた


「どこに行くのかなー仁王君?」


「……関T」

「関Tじゃなくて関本先生って呼ぼうな」


ガシッと掴まれた腕はビクともしない、関Tのどこにそんな力が隠されているんじゃ


「お前柳生と双子だったんだってな」

「はぁ、まあそうでしたけど」

「柳生と同じ焦げ茶にしてやった、ありがたく思え」

先生、ヒロはプールの塩素で茶色になったんです
ヒロも地毛は黒ですよ、多分


「はーなーせー!」

「4年間の戦い、勝ったのは俺だったな」


そのまま関Tに引きずられて体育館から出され髪に手をかけられる
家に帰ったら染める気でいたが関Tと戦うとなったら俺だって勝ちたい



クシでとかされているのでぱっと見、逃げ放題に見えるがそれは違う

逃 げ ら れ な い


「にしてもなんで髪切ったんだ?長かったのに」

「仕方が無く…」

「ふーん」


その後会話は一切無く、俺はされるがままに髪を染められた
いつか関Tに復讐する…


「よし、できたぞ」

「あ゛ー」


満足感に満たされている関Tに鏡を見せらた


「これ、ただのヒロじゃろ」

「後ろから見たらな」

「関Tはヒロの素顔知らんからじゃ…」


にしてもなんでここまで本気になって髪を染めたのだろうか、流石に関Tも授業を抜け出してまでは来ないだろう



「なぁ、なんでじゃ?」

「何が?」

「関Tだって流石に授業サボってまで高等部こんじゃろ」


「あー、高等部の先生に頼まれたんだよ」

「は?」

「明日理事長らが帰ってくるだろ?」

「おう」

「流石に髪染めてるやつがこんなにいたら怒られるからな、理事長が戻ってくる一週間は頭髪も服装も厳しくなるだろうな」


それでか…




(あ、)
(どうした仁王?)
(関T丸井は?)
(ああ、あいつは「染めるくらいなら学校行かねー!」だそうだ)
(……丸井)
(理事長が居る間だけだろうがな)


□■□■□■

関T(せきてぃー)
┣中等部3学年の英語教師
┣本名は関本(せきもと)
┣今年で30歳
┗髪を染めて回る事で有

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