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先輩らが立ち去ったあと俺はしばらく校舎裏に居座っていた

とりあえずこの髪が散乱した状態でこの場を去るのはどうも気が引けるから、束になってたり拾えそうなのだけ拾って外のゴミ箱に捨てた
ちょっとホラーじゃの


ゴミ箱を見ながらそんな事を考えた俺はそこまで髪を切られた事に対して怒りもしていないのだろう、不思議じゃのぅ
諦めがついたのか先輩らの馬鹿さ加減に呆れたのか・・・

中等部裏から高等部の校舎への道をたどって行く、とりあえず状況確認が出来る場所へ行きたい
やっぱ授業中に誰も居ないところの王道といってら屋上だよな、俺は外階段から屋上へ向かった



もう本鈴は大分前に鳴ったから屋上には誰も居らず、お昼時に賑わっていた事がうかがえるイチゴオレの紙パックが落っこちていた


取りあえず髪どうしようか…
教室に行けばハサミはあるだろうがこのままの状態で教室へ向かうのは少々気が引ける


携帯についているカメラで自分を撮れるように機能を代えて自分の現在の状況を確かめる


前髪はハサミでザックリ切られたからパッツンだ
なんかもうボサボサだし直しようがない、まぁまだ前髪が目元まであることが救いだが
諦めて教室行ってハサミ借りて来ようかの…


そう決めたら行くか

カーディガンとYシャツを脱いで服をありったけの力で振り回し服についた髪を落とし、屋上の扉を開けてF組を目指す



++++++


教室からは呪文のような声が聞こえる、確か漢文じゃったっけ今日


授業中の教室ほど入りにくいものは無いが入ろう、それになんかあの先輩らのせいでサボリになるのはなんかムカつく
サボる気満々じゃったけどやることが無くなるとサボった事に罪悪感が生まれてくるからの…


先生に気づかれんかったら悲しいから盛大に後ろのドアを開けてやった


「誰かハサミ持っとらんか?」


古典の教師も何が起こったのかいまいち把握出来ていないようだ、そんな教師の代わりに白石が口を開いた

「ま、雅治君髪どないしたん!?」


「あーっと先輩っぽい人に切られた、整えたいからハサミ貸して出来ればすきバサミとかあったら助かる」


そう言うと女子がポーチを持ってきてくれて道具を貸してくれた

「ににに仁王君大丈夫なの!?」

「怪我はたいした事ないが髪だけ酷いんじゃよな、あとハサミありがとさん後で返すの」


「おーい雅治君この流れで言い出しにくいんやけどさ」

「ん?」

「柳生君フリーズしたんやけど」

「あー丁度よか、先生柳生借りて行きますよー」



フリーズした柳生をどう解凍するか3秒ほど脳内会議したが面倒くさくなって椅子から突き落した


「っ痛い!雅治何するんですか!!」

「はいはい話は後で、髪整えて」


暴れるヒロの首根っこをつかんでズルズルと廊下へ引きずっていく


「「「「い、いってらっしゃい」」」」

古典の先生も寝ぼけながら授業を受けていた生徒も、教室に居たみんながそう口にした




(つか仁王君まじ髪どうしたんだろうね!?)
(だよね、中等部の時から伸ばしてたのに)
(さっき切られたとか言ってなかった?)
(先輩だっけか?)
(そうそう 、あっもしかして真美子先輩の件じゃね?)
(((あー、あったあった)))
(それだったら仁王君濡れ衣じゃん)
(うわー仁王君かわいそう)

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