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※暴力表現あり


中学の時も思ったのだが、今の時間だとこの場所は校舎の影になって薄暗い

告白にはオススメ出来んの
だがそれでも中学の時は良くここに呼び出されていたからな…

つーかこないの
俺に昼飯を食わしてくれ



そんな事を思った矢先にザッと砂を踏む音がした、やっときたか


音のした方向に顔を向けると想像とはまったく違う光景じゃった


「……は」

目の前に居るのは男3人


「ちゃんと来てたな」

「まちんしゃい、俺は男だったらヒロか参謀みたいなタイプじゃなきゃ無理じゃ」


「ホモじゃねぇよおおお!!」

「あり?」


だって手紙の内容からするとコイツ俺の事好きなんじゃろ?つーかこの人どっかで見た気がする…


「つか俺らが仁王なんかに告白するわけねぇだろうが!!」

「や、だって昔華田先輩に告白された事あるんじゃけど…」

「「「え、嘘まじで」」」


ちなみに華田先輩はテニス部の先輩で外部受験だったのでもう立海にはいない


「って華田はどうでもいいんだよ!まじ仁王、お前調子乗ってんだろ」


あ゛ぁ…そういうことか
なんか告白だと思ってた事が恥ずかしくなってきた


「それはどうも、てかお前さん誰?」

「っ!?テニス部二年の鈴原だ!!」

鈴原?そんな先輩おったかのぅ…
華田先輩の印象が強すぎて


「忘れました」

正直覚えておらん


そう言葉を繋いだ瞬間隣にいた男に殴られそうになった
間一髪で避けて怪我は無いが膝をつく


「いきなり何すんじゃ!?」

呼び出されたかと思ったらいきなり殴るとか本当に俺なんかしたんか!?
取りあえずこいつらは敵と認識しよう


「お前鈴原の彼女取っといて…まじ許せねえ」

彼女?


こいつ彼女居ったんか…
よく見てみればまぁイケメンに部類されそうな顔、だが白石や幸村で見慣れている俺にとったらたいしたイケメンではない


んで彼女って誰
生まれてこの方彼女居ったこと無いんじゃが……

あ、小学校の時の同級生の瑠衣ちゃんとは両思いだったらしい(友達情報)


「彼女なんて知らん」


「真美子ちゃんが鈴原に言ったんだよ!"仁王君が好きになったから拓也とは別れるね"ってよ!!」


それってただの逆恨みでは…


「前から調子乗ってるとは思ってたけどコレはきちんと教えてあげなきゃな」

「は?」


すると先輩が俺のわき腹を思いっきり蹴った


「っ痛」

少し吹っ飛ばされて地面に倒れた、すると前髪を掴まれ顔を上げさせる


「この髪もさー目立っちゃってウザイっていうの、さっぱりしてく?」

「あーこんな所にハサミがあるよ田中」


「中川ナイス」


これってまさかさ…
先輩達にやられることは分かったけど蹴られたあとに中川とか言う奴に馬乗りにされて身動きが取れない


「…はっなせ!!」

「無理ーハサミ入りまーす」


じゃきじゃき



そんな音が自分のすぐ近くで聞こえてやはり切られてしまったのだと分かった


頼むからジャッカル頭にだけはせんで欲しいの、せめて氷帝の宍戸くらいでとどまってくれ

抵抗しても無駄だと分かると人間は案外冷静なもんじゃのぅ



少しすると高等部の予鈴が聞こえ髪を切る音が止まった
地面には自分の銀色の髪が無残にも落ちていた
結構切ったの


「これにこりたら真美子ちゃんに手出すんじゃねーぞ!」



馬鹿とか死ねとかそんな言葉を吐いて3人は消えていった

ボキャブラリーに乏しい先輩方じゃ





はー

地面に広がる髪を見ればため息が出てくる、中2の頃から伸ばしてたんじゃけどなぁ…

自分の頭を触ると普段より髪が指先に刺さる、チクチクしてうざったい
このチクチクを無くそうと頭をかき回して頭についた髪を払い落とす


携帯を出して時間を確認するとあと数分で本鈴がなる

もうサボるか…




(次の時間は古典じゃし大丈夫か…)
(その次は家庭科で確か自習じゃからそん時戻ろ)


(雅治君戻ってこんな)
(まぁサボリでしょうね)
(ならええか)
(実際はよろしくありませんがね)

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