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そしてやってきた練習試合の日


現地集合だから各自で氷帝まで行かなくてはならないが父さんが急遽東京の大学に行かなくてはいけなくなって、そのついでに氷帝まで車で送ってもらえた



そのお陰でなんの苦労もせずに氷帝までたどり着いたが今の時間はだいたい9:45


集合時間は10時だから丁度いい時間だ
だがまだ誰も来ていないようだ


「まだ誰も来てませんね」

「じゃのう、10分前とかになったら真田は絶対来るじゃろ」

「そうですね、真田君はいつもそれくらいに来てますしね」



+++++++



だが真田はおろか誰も来ない、もう10:02になるというのに


「流石に遅すぎんか?」


普段遅刻をしている俺の言うセリフではないが真田が集合時間を過ぎても現れないのは不思議でならん



「…不思議じゃのぅ」
「どうしたのでしょうか…」


Pipipi


そんな風に考えているとヒロに電話が来た


「柳君です」

「参謀?何じゃろ、ヒロでてみんしゃい」


そういうとヒロは携帯の通話ボタンを押した


「はい、もしもし」


《柳生か、今どこにいる》

「あぁ校門前に居ますよ」


《ん?俺達も校門前にいるのだが……もしや、柳生近くにファミマがあったりするか?》


「ファミマ?ですか」



ヒロはファミマ、ファミマと呟きながらキョロキョロと辺りをみている

参謀にファミマ探せ、とでも言われたんじゃろか?
俺も一緒にキョロキョロするとファミマを発見した
ファミチキの広告が貼ってある



「ヒロ、ファミマあった」


「あっ本当ですね!柳君ファミマ発見しました」



《…やはりな、そっちは東門だ》


「東門…ですか?」


《あぁ、ちなみに俺達がいるのは正門だ。ファミマに向かって歩けば次にセブンイレブンがある、そのまま行けば正門につく》


「ファミマからセブンイレブンを目指せば良いのですね、わかりました」

《待っているから早く来い》


「はい、申し訳ありません。でわ、また後で」


《ああ》


電話をしているヒロを見るのは中々に面白かった
よく親が電話で別れを告げるとき相手には見えるはずないのに頭をぺこりと下げるやつ

あれをヒロは何回もしてた
3回くらいしてたかのう



「雅治!こちらは東門だったようです、正門に行きますよ」


「は?これが東門…?」


この門はどう考えても正門規模の大きさだ
立海も私立だからそこそこでかいが……



「金持ち学校はすごいのぅ」

「そんな事行ってないで急ぎますよ!!」


「はいはい」
「はいは一回!」


「…はーい」



ヒロはたまに母親のようになる…


…いや、姑か?




(…いつになったら着くんじゃ)
(あっセブンイレブンありましたよ!)
(やっとセブン……ヒロ、カルピス買ってもよか?)
(いえ皆さんを待たせてるんです、駄目ですよ)
(カルピス…)
(さぁ行きますよ)
(……カルピス)
(我が儘言っても駄目です!家に原液があるでしょう)
(新発売の桃カルピスがいいんじゃ)
(駄目)
(カルピス)
(駄目)
(カルピス)
(駄m(カルピス!)………1分以内に買ってきて下さい)
(よっしゃ、カルピスーっ!)
(……また負けた)

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