貴方の知らない私
眩しさに目が覚めた
傍らにいたのは瞳の大きな少女。桃色の髪が風に靡いて輝く。
「気がついて良かった。空から降りてきたんだもん、すっごく驚いたよ!…それで、あれは何かの魔術なの?」
「…まじゅつ?」
「違うの?スゴい魔術で空を飛んだのかなぁって思ったんだけど、覚えてないの?あなた、空から降りてきたのよ」
「ここは…」
「気がついてよかった。ここは危険な場所だから。あ、私カノンノ。カノンノグラスバレー。あなたは?」
「……アキラ、」
…多分
「アキラ…いい名前ね」
「………だったと思う」
「?」
「……俺は」
「どうしてこんなところにいたの?とりあえずここは危険だから山を降りましょう」
「とにかく戻らなくちゃ。船が来たよ!」
ゴゥ、と重厚な機械音。
目の前に現れたド派手な飛行船。
メーデー
ここはどこですか。
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