DFF | ナノ



クリスタルタワーを歩いていると
イミテーションに会った
草葉から出てきて驚いたけど
でも大したことない
彼らは私たちの駒だから

その瞬間イミテーションが横薙ぎに振り払われた剣によって薙ぎ倒された。
むしろそれに驚愕した。
「君は…いつも危なっかしいな」

イミテーションを追ってきたのは
光の戦士、ウォーリア・オブ・ライト
彼は知らない
私が一般人でもなく
調和の騎士でもなく
カオスに纏わる混沌の戦士であることを

「怪我はないか」
「ええ大丈夫。驚いたわ、
ありがとう。」

そう告げると微笑を称えるウォーリアにちくりと良心が痛む。自分が仕向けたにないにしろ、このイミテーションは彼を襲うべく放たれたものだ。間違いなく

「このあたりは危険だ
早く逃げるといい
―…本当に共に来なくて大丈夫なのか。」
「ええ。私は次元からこの世界に迷いこんだだけだから闘争と関わりを持たないし、どこに出口があるかわからないから」
「セレナ…」

そっと私の頬に手を当てるウォーリア。これは彼が平素からする癖のようなものだともう理解しているが、慣れない。

「本当は…口実なのだ」
「え?」
「いや、夜半はイミテーションも多い。
いざとなったら」

「私を呼ぶといい
私は、君を守ると誓おう」


私の手をとる
その行為に意味があるのかしら
期待させないで、と思う
反面、その恭しい手付きも
膝をつくその仕草も
流れるような美しい手も
私の手に口付けるその薄い唇も全部好き

気をつけるのだぞ
と言い、ウォーリアは身を翻して去っていった。


去っていく貴方の背中
幾度願っただろう
その隣を歩ければ
どんなによかっただろう
見送ることしかできない
そしていつか
その貴方の甘い甘い背中を
切り裂くのはきっと私


ウォーリア、ウォーリア
私の愛しい方


(ねぇウォーリア)(貴方は)(私の腕を振り捨てて)(彼女のもとへ行くのでしょう?)
―――――――――――
コスモスいいなぁ、っていう。
恋に溺れた人魚姫」様に提出。

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -