君を失った


燃え盛る炎の中、爆弾、一方的過ぎた殺戮といっても過言ではなかったと思う。
なんでお前だったんだろう なぜお前でなくてはならなかったのだろう
何故この世界はこんなにもはかないのか
絆を尊んだのは、お前だけだった。
大切なもの、忘れかけてたんだ

なぁ
お前は最後どんな風に笑ったんだ?
お前のこと、ずっと…誇りに……思うよ………



――――――――――…イザナ……




















この世界は死者を想う者はいない。
何故なら、そのものを取り巻いていた全て、記憶を無くしてしまうからだ。
これらを誰かの言葉を借りるとするならば「クリスタルの配慮」らしいけど。
確かに多くのものを戦争は失わせる。家族も、故郷も、愛する人も。
それらに身を砕いているならきっと打ちひしがれてしまいそうになるだろう
でも
それらを感じなくなった俺たちは
何を守るために生きればいいのだろう
俺の愛した誠実は
もうここにはいないのに

それでも
俺は前を向かなきゃ
俺はまだ倒れちゃいけない
守らなきゃいけないやつがいるから
それがお前との最後の約束だったから

もう思い出せなくなってきたから
毎日毎日
反芻する、君が、きみが、いたこと
そうだろう きみが
忘れかけていた絆を君が拾い集めていてくれた唯一のひと だ から




いざ・な…・・・・












前 | 戻る



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -