「じゃあ…零崎アキラくん。おでこを出して、私が体温を測ってあげるから」

「せんせーはいつか捕まってください」
「診療してるだけなのに?」
「じゃあセクハラ料払ってくださいよ」
「払えば、いいのかい…」
「病院変えたい」

学校の階段から滑って後頭部強打。
一応精密検査を受けた方がいいと副担任のオバチャン先生につれてこられたが…オバチャンの目的はこの先生に会う口実だったようだ。そしてなんだか変態くさい。

「まあ!海野先生、私なんだか朝から熱っぽいんですのよ!診てくださいません?」
「いえ、血色もよく健康そのものです大丈夫です」

おいさっきと態度が違うじゃねーか

「アキラくんはとっても健康体ですね。問題ありません。よすぎるくらいですね」
「そうですか」
「ええ…不思議なくらいです。血管は強いし、脈拍良好…。殺しても死にそうにないくらい、とても素晴らしい健康状態です」
「…」

「なにか特別なことでもあるんですか?」

真剣な眼差し。かつてもこんな瞳に遭遇した。
幼かったあの二つしばりであかい眼鏡の女の子
あんときゃわりと


ぞくぞくと
した


「ま、無理せずがモットーなんで。健康なによりじゃないすかね」
「…そう。」

診察終了でーす、という看護婦さんの声に診察室の椅子から立ち上がる。
なんだかつかれた。

「アキラくん。ちょっと聞いていいかな」
「なんすか?」
「君の将来の夢ってなにかな」


将来
唐突だけど意味ならわかる
ねぇ先生
これから起こることは俺だってわからんよ

「そうですね」


もっと特別なことがしたいんだ(ほら、例えば)


「世界征服とか?」







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