「ジョーリィは、お嬢様が好きなの?」

目の前にいるのは確かに自分の恋人のはず
唐突な質問はその瞳をみる限り真剣な問いであることは読み取れた

「…質問の意味がわかりかねるな」

それはYESなのかNOなのか…
もっと詳細を込めた言い方をすれば自らには好悪を向ける対象は極端に少ない

「だって皆お嬢様に構って、現に貴方も」

そうでしょう…、とだんだんと口にするのも気落ちしてきたのか、言葉尻が萎んでいく

「パーパの愛娘を愛でるのが楽しい、とでも?」
「でも…」

「嫉妬は醜い、君も男ならな。私は素直なのが好きでね。」

覗きこんだ少年のまっすぐな視線
びいどろのような瞳を目一杯開いた真っ赤な顔で

「おっ、俺はどうせひねくれてるよ!!」


わかりやすく言えば好きも嫌いもない
嫌うほど他の存在にさして興味はなかった
命の恩人のような兄のような父のような存在であるモンドや目の前の自分を飽きさせない少年がいかに他とは異なる特異な存在であるとの認識は
きっと、彼には露ほどもないのに

きみのすきなひと、
(…あんま苛めるな)(無茶な相談だ)
君ほどわかりやすく素直な子はいない

.



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