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「あなた、知らなかったんですか。あなたは女ですよ」
酒の席で言った言葉であるが本人は至って真面目に答えた。
「私そんな、女っぽい?」
「所作でいうなら全く当てはまりませんが、考え方は至極、女性的です」
失礼な。というか、
女性的
それって褒め言葉なのだろうか
『うわ…それって』
恥ずかしい
女性的、には自分は良いイメージは持っていない。女性的な人間に限って(たとえ男性だとしても)ネチネチ、話題をひっくり返し、無いところから問題を運んでくる。
そういうの貴族を嫌悪感にも似た気持ちで見ていたのは自分だ。
そんな自分が、女性的。
少しへこむ。
「いきなり黙ってどうしたんです」
「なんでもないわよ」
「なぜ拗ねているんです?」
あんたのせいだよ
とは言わないが喉元まで引っ掛かるくらい、今の会話でわかるだろうよ
変なところで、鈍い男だ
「ショックだったんですか。自己分析もままならなかったのかは知りませんが、無能なメイドをもってエドワルド様に同情します」
「んなこと言うのはあんただけよ」
彼の皮肉ももう慣れた
それほど時間を共にしただけはある。
彼に視線を向けると―ほら、
このにやりとしたしたり顔
むっかつくわコイツ
でももっとムカつくのは
自分をありのままでいさせる人がいることにホッとしてしまう自分で
「そうですよ。貴方をよく知るのは、私だけです。」
だからはやく堕ちて(…あんたって嫌なやつ)(これでも口説いてるんですが)(…生意気)
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