ああほんと鬱陶しいんだ
夜空に埋められた月も星も、
大地や海を穿つよりまずなによりこいつを夜空に飛ばしちゃいけないんじゃないかといつも思う

「きみしつこい…きらいだよ。」
「いやいや、私を認知してくれて嬉しいよ。それに、ありがとう。君の嫌いは好きって聞こえる」

「…その思考回路、腹がたつ。もうここに現れないで」
「連れないね。それに突然現れたのは君の方さ坊や。いや、お嬢ちゃん」
「殺すよ」

あぁまたいる
きまって僕が独りになりたいとき、煩いから逃れてくるこの場所に
この胡散臭いお兄さんが現れたのはつき最近
だのにこの開き直った忌々しい態度
殺したい

「君は美しいのに残念だ。何故成長を恐れるの?」
「嫌い嫌い君は嫌い。はやく消えて」
「千両より一、嫌い?」

何処まで知っているかわからない
でもこの得体の知れないのを毘沙門天が放っておくということは高位のもののけがなにかか。
嫌なやつ嫌なやつ
ほんと死んでくれないかな
どうとでもしていいなら今すぐ口の減らないこの男をぶち抜いてやりたいのに。

「さしずめ…―命短し、恋せよ乙女、ってかな」
「……訂正、真夜子は嫌い、君はだいっきらい」

ウォーターガンの発射音と
コンクリートが砕かれた破壊音
幾分か余裕な男の表情に苛つかされる

「危ない水遊びだ」
「次は外さないから」

皆嫌い嫌い嫌い
僕を煩わせるのも
揺り動かすものも無くなればいいのに


「僕なら君を幸せにできるのにね」


ズガン、
飄々と表情を浮かべた顔が歪む
夜のプールに水しぶきがあがり
青年の吹き飛んだ体が水面に落ちた



「ほんと、

(いてて、ほんと容赦ない。顔半分吹っ飛んだ)(あまり月彦を苛めないであげて。繊細な年頃だから)(君こそあんな子供を戦争に使うだなんて相変わらずドSだね暁雄)




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