ああ君は今日も自由だなぁ
僕とは全くの正反対
だからこんなに眩しいのだろうか
「お前はいつも部屋にいるよな。読書家の長次だってもっと外にいるぞ」
「なら僕なんかに構っていないで外で穴堀りでもおやりよ」
「一緒に行こう」
「僕は行かない」
毎日人目を盗んで僕の長屋に忍び込む君
それじゃあ意味がないじゃないか!とふて腐れる君の意図がわからないほど馬鹿じゃないけど
いちいち突っかかっているほど暇でもない
「なぁ外で鬼事しよう」
「断る」
「お前は本当につれないなぁ!」
一応年上を名指しするなと言いたいが黙っておく。
言っても聞かないだろうし僕の容姿からも恐らく年上と認知してすらいないんだろうな
「だいたい僕の部屋は生徒は出入禁止のはずなんだけどね」
「細かいことは気にするな!」
「七松は相変わらずだなぁ…」
にかっと嬉しそうに笑うもんだから
怒る気も失せるもんで
褒めてはないから、と付け足す。
お前も変わらないな!と輝く笑顔を向ける君
その笑顔に僕はあと何度会えるかなぁ
灰になる(眩しい)(手の届きようもない)(胸を焦がす熱)(乞い焦がれ)(燃え尽き、そう)
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追記:主人公は不治の病で面会謝絶。隔離されて生かされる元忍たま生徒の17才
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