The ounder of rphan U 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




翌朝、前夜に降り出した雪が大吹雪になり、
学期最後の薬草学の授業は休講になった。
スプラウト先生がマンドレイクに靴下をはかせ、
マフラーを巻く作業をしなければならないからだ。
厄介な作業なので、一人を除き他の誰にも任せられないらしい。
その一人とは、他でもないサクヤだ。
先日の薬草学の授業で
マンドレイクの植え替え作業を手早くこなしたことが
とても高く評価されたのだ。
サクヤ自身も何か手伝いたいとのことで、
今はスプラウト先生とともに温室に籠っている。

ハリーは昨日のことを薬草学の授業の時に
ジャスティンにちゃんと説明しておきたかったため、
休講になったことは予想外でイライラしていた。

「ハリー、お願いよ」

談話室の暖炉のそばで
ロンとチェスの勝負をしていたハーマイオニーが
ハリーの様子を見かねて言った。

「そんなに気になるんだったら、
こっちからジャスティンを探しに行けばいいじゃない」

ハリーは立ち上がり、ジャスティンはどこにいるかな
と考えながら、肖像画の穴から外に出た。

「もしかしたら、授業の遅れを取り戻すために
図書館で勉強しているかもしれない…」

凍えるような寒さの廊下を、
身をすくめながらハリーは図書館に向かって歩いて行った。


*****


「スプラウト先生?
お尋ねしてもいいですか?」

サクヤは温室でマンドレイクにマフラーを巻きながら、
マンドレイクに靴下をはかせているスプラウト先生に言った。

「なんですか?」

「マンドレイクで作れる解毒剤はたくさんありますが、
今必要なのは、石化を解く解毒剤ですよね」

作業を確実にこなしながら、言葉を続けた。

「人を石化させる方法はいくつかあるみたいですが、
たとえば、どんなものがあるんですか?
今回の事件の、原因を調べたいんです」

「そうですね…。
たとえば、ペトリフィカス トタルス…
全身金縛り呪文の高等呪文に、石化させる呪文があります。
しかしながら、
この事件で石になってしまった生徒の原因ではありません。
それならダンブルドア先生が簡単に解けるはずですから」

何匹目かわからないマンドレイクを相手にしながら、
スプラウト先生はそう説明した。

「他には…?」

「呪文でなければ…、呪いや術なども考えられますが、
それも今回の答えではないでしょう。

原因は何にしろ、
私達の考えが及ぶ方法ではないことは確かです。
恥ずかしいことに、事件の全貌を掴めていないのですから…」

その時、マクゴナガル先生が慌てた様子で温室に入ってきた。

「おや、ミス・フェリックス…いたのですか…。
まあ…構わないでしょう…スプラウト先生、
また、新たな犠牲者が出てしまいました…!」

「そんな…!」

「誰が!?」

サクヤが急き込んで聞いた。

「今回は二人同時に、です…。
ハッフルパフのジャスティン・フィンチ-フレッチリーと、
ゴーストのニックが、廊下で倒れているのを発見しました…。

それと…」

マクゴナガル先生は言いにくそうに口をつぐみ、
チラッとサクヤを見た。

「それと…、ポッターが、その傍らに…」

「まさか、石に…!?」

「いいえ、ポッターだけが、
…石化せずにその場にいたのです」

サクヤはマクゴナガル先生が
言わんとしていることに察しがついた。

「いいえ。先生、
ハリーは絶対にそんなことはしません!」

「私には、それを判断する権限は持ち合わせていないのです。
ポッターは今、ダンブルドア校長とお話をしているでしょう…。
そのことを、伝えに来ました。

スプラウト先生、一刻も早くマンドレイクを育て上げないと、
このままでは間に合わなくなってしまいます…!」

「ええ、もちろん分かっています。
それと、フェリックス、
今日は手伝ってくれて感謝しているわ。
あなたはもう戻りなさい…今すぐにでも、
戻りたいのでしょう?」

「っ先生、ありがとうございます!
マクゴナガル先生、失礼します!」





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