The ounder of rphan U 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




あと5分足らずで着くという車内放送で、3人は飛び起きた。
急いで着替えていると汽車が減速し出したので、慌てて降りる準備をした。

「イッチ年生!イッチ年生はこっちだ!」

汽車を降りると、懐かしのあのフレーズが響いていた。

「久しぶりハグリッド!
ジニーをよろしくな!」

「サクヤか、まかせておくんな!
さ、ジニー、イッチ年生はこっちだ」

ジニーをハグリッドに任せ、2年生のサクヤ達はそれそれホグワーツに向かった。
あの夜空に輝く大きな城が…サクヤ達の第2の家、ホグワーツ魔法魔術学校だ。

「いつ見ても綺麗な眺めだよな…」

勝手に動く馬車に乗り込み、サクヤがホグワーツを見ながら感嘆の声をあげた。

やがて城に着き、ホグワーツ内の大広間に向かう。

「ついに帰ってきたわね…」

ハーマイオニーも嬉しそうだ。

やがて2年生から7年生までが全員それぞれの寮の長テーブルにつき、上座の長テーブルにも先生たちが座った。
ザワザワと再会の喜びに浸っている生徒たちはやがて上座に注目した。

「諸君!」

アルバス・ダンブルドア校長だ。

「また新たな一年が始まる…。
今年もまた、その君たちの頭に何かが残るような一年にしてほしい。

それから、空席になっていた闇の魔術に関する防衛術の教授の席には、
数々の本を手掛けるギルデロイ・ロックハート先生が座ってくれた!」

ダンブルドアの紹介に、ロックハートがスクッと立ち上がった。
またしても小粋な角度で三角帽をかぶり、ローブも綺麗なトルコ石色だった。

「みなさんはなんと幸せなのでしょう!
この私がこのホグワーツに来たことによって、あなた達の身の安全は確保されました!
その保証は間違いありません!
なぜなら…

この私がホグワーツに来たからです!!!」

キャーと、黄色い声が途端に上がった。

「(意味分かんねえよ…)」

男子とサクヤは心で一斉にツッこんだ。

「さてそれでは、お待ちかねの新入生の組み分けをしようかの!
入ってきてもらえるかな?」

大広間の出入り口に立っていた、管理人のアーガス・フィルチが扉を開けた。

緊張でカチコチになった小さな1年生たちが、
副校長兼グリフィンドール寮監のミネルバ・マクゴナガルに連れられて入ってきた。

「あ、ジニーだ」

サクヤは隣りに座るフレッドに言った。

ジニーもこちらを見たので、サクヤと兄弟が手を振った。ジニーも小さく振り返した。

「では、さっそく…」

次々に新入生たちが呼ばれ、自分の組が決まって行く。

「ジニー・ウィーズリー!」

「「「きた…」」」

「グリフィンドール!」

「「「ぅおっしゃー!!」」」

固唾を飲んでいたサクヤ、フレッド、ジョージが叫んだ。
ハーマイオニーも嬉しそうだ。

「カモン、ジニー!」

サクヤは両手を拡げて構えた。
ジニーも相当嬉しかったのか、グリフィンドールの席に来るとすぐにサクヤに飛び込んだ。

「やったな!来ると思ったぜ!」
「ようこそ、グリフィンドールへ!」

「これからもよろしくな!」

互いにそう言って、席につく。
再び次々と新入生は自分の寮へと走って行った。

「ルーナ・ラブグッド!
…レイブンクロー!」

「コリン・クリービー!
…グリフィンドール!」

それらを見送っていたサクヤがふと上座を見ると、
先ほどまで座っていたスリザリンの寮監兼魔法薬教授のセブルス・スネイプが姿を消していた。

「(あれ…どこいったんだろ…?)」

気付けば、ダンブルドアもマクゴナガルもいない。

新入生の組み分けが終わり、やがて宴会が始まった。
サクヤは簡単に食事を済ませると、スネイプを探しに席を立った。
大広間を出ようと扉を開けようとすると、先に向こうからダンブルドアが扉を開けた。

「あ、校長、お久しぶりです」

「おお、サクヤか。久しぶりじゃの」

サクヤとダンブルドアの会話を遠くから見ている人物がいた。

「サクヤ…あんなのとはいえ、校長とあんなに親しいのか…」

ドラコ・マルフォイだ。

「きっとコネを使ったに違いないわ。
じゃないとあんな子、ダンブルドアは相手にしないわ。

自分が有名な一族だっていうコネを使ってたの、私見たもん」

まったくの嘘を言うのは、数少ないアンチ派のパンジー・パーキンソンだ。

「コネ?」

「いろんな人に自慢してるわ。
生徒から先生まで…どうしてドラコはそんな子を好きなの?」

「し、知らなかったんだ…サクヤがそんな…」

ドラコは真に受け、ショックを受けた。

「でも、本当なの。
そのうちドラコにも言い寄ってくるわ…注意した方がいいかも」

「………」





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