The founder of orphan U
-総受男装ハーマイオニー百合夢-
‐時を少し遡り‐
「ロン達遅いですね…」
ハリーとロンが出てくるはずの柵の脇に寄ってウィーズリー夫妻とサクヤは2人を待っていたが、一向に現われる気配がない。
待っているうちに、特急が出発する知らせのベルが鳴り響いた。
「サクヤ、あなたは先に乗り込みなさい。
あなたまで遅れてはいけないわ」
「は、はい…」
サクヤは背を押されてしぶしぶ特急に乗り込んだが、ステップの所から柵の方を見ていた。
「ロン達、来ないのか?」
「なにがあったんだ?」
フレッドとジョージだ。
「なんで来ないんだろ…何かあったんじゃ…」
ゆっくりと動き出す特急から、焦っている夫妻が見えた。
「まあ…なんというか…」
「あの2人のことだ、どうにかしてホグワーツに来るさ!」
フレッドがサクヤの肩を叩いて励ました。
「そうかな…そうだよな!
なにせ、あの2人だし…」
「そうそう、あの2人だし!」
ジョージもサクヤの頭を撫でて、奥に戻って行った。
サクヤもリュックを背負いなおし、汽車の奥へと歩いて行った。
「きっとハルがコンパートメントを取っておいてくれてると思うんだけど…」
サクヤは1つ1つ覗いて回った。
その内の1つを覗いたとき、中にいた人物が弾けるように立ち上がって扉を開けた。
「サクヤ!」
「あ、セドリック!
久しぶり!夏休みは楽しめたか?」
「ああ、久しぶり!
もちろんさ、サクヤも楽しめたかい?」
「おう!」
「よかったら座らないか?
空きのコンパートメント探してたんだろ?」
扉の脇によって、中に入るように促した。
「ありがと!
でも友達がもう取っておいてくれてるから、悪いな。
じゃあなセドリック!」
「あ、うん!」
セドリックが少し名残惜しそうだったのは言うまでもなかった。
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