The ounder of rphan U 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




夏休みはあまりにもあっけなく終わった。
ハリーは確かにホグワーツに戻る日を楽しみにしていたし、
サクヤだって、ホグワーツでハーマイオニーと生活を共にするのをとても楽しみにしていた。
しかし「隠れ穴」での1ヵ月ほど幸せな時間はなかった。
ハリーは、ダーズリー一家のことや、この次にプリペッド通りに戻った時、どんな「歓迎」を受けるかなどを考えると、
ロンが妬ましいぐらいだった。

最後の夜、ウィーズリーおばさんは魔法で豪華な夕食を作ってくれた。
サクヤも手伝い、ハリーの大好物はもちろん、みんなの好物は全部あった。
最後は、よだれの出そうな糖蜜のかかったケーキだった。
フレッドとジョージが、その夜の締めくくりに「ドクター・フィリバスターの長々花火」を仕掛け、
台所をいっぱいに埋めた赤や青の星が、少なくとも30分は天井と壁の間をポーンポーンと跳ね回った。
そして最後に熱いココアをマグカップでたっぷり飲み、みんな眠りについた。

翌朝、出かけるまでにかなりの時間がかかった。
鶏の時の声でみんな早起きしたのに、なぜか、やることがたくさんあった。
ウィーズリーおばさんは、ソックスや羽ペンがもっとたくさんあったはずだと、あちこち探し回ってご機嫌斜めだったし、
みんな食べかけのトーストを持ったまま、半分パジャマのまま、
階段のあちこちで何度もぶつかり合っていた。

しかしサクヤは、ほとんどの荷物はすでにまとめてホグワーツに送ってあるため、
教科書などを簡単にカバンに詰めるだけで済んだ。
することがなくなったサクヤは、一番準備が大変なジニーを手伝った。
サクヤがジニーのトランクを車に乗せるのに、
ウィーズリーおじさんは、先に車に行って、魔法をかけていた。

トランク6個、ふくろう3羽、ねずみ一匹にサクヤのリュック1個を全部、
どうやって小型のフォード・アングリアに詰め込むのか、ハリーには見当もつかなかったが、
サクヤがコッソリとおじさんが魔法で広げた車のトランクを見せてくれた。

「おばさんには内緒だってさ」

サクヤはハリーにそうささやいた。


やっとみんなが車に乗り込むと、ウィーズリーおばさんは後ろの席を振り返り、
ハリー、サクヤ、ロン、フレッド、ジョージ、パーシーが全員並んで心地よさそうに収まってるのを見て、

「マグルって、私たちが考えているよりずーっといろんなことを知ってるのね。
そう思わないこと?」

と言った。
おばさんとジニーが座っている前の席は、公園のベンチのような形に引き伸ばされていた。

「だって、外から見ただけじゃ、中がこんなに広いなんてわからないもの。ねえ?」

ウィーズリーおじさんがエンジンをかけた。
車はゴロンゴロンと庭から外へ出た。
ハリーは振り返って、最後にもう一目だけ家を見るつもりだった。
またいつ来れるだろう、と思う間もなく車は引き返した。
ジョージがフィリバスター花火の箱を忘れたのだ。
5分後、まだ庭から出ないうちに車は急停車した。
フレッドが箒を取りに走って行った。
やっと高速道路にたどり着くころにジニーが金切り声をあげた。
日記を忘れたと言う。ジニーが戻ってきて、車に這い上ったころには、遅れに遅れて、みんなのイライラが高まってきた。

ウィーズリーおじさんは、時計をチラリと見て、それからおばさんの顔をチラリと見た。

「モリー母さんや―」

「アーサー、ダメ!」

「誰にも見えないから。
この小さなボタンは私が取り付けた『透明ブースター』なんだが―空高く上がるまで、車は透明で見えなくなる―そうしたら、雲の上を飛ぶ。
10分もあれば到着だし、だーれにもわかりゃしないから…」

「ダメって言ったでしょ、アーサー。昼日中はダメ」

キングズ・クロス駅に着いたのは11時15分前だった。
ウィーズリーおじさんは飛び出して、道路の向こうにあるカートを数台持ってきた。
トランクを載せ、みんな大急ぎで駅の構内に入った。

9番線と10番線の間にある堅い柵を、マグルに気付かれないように慎重に通り抜ければ、真紅の汽車が停留する9と3/4番線のホームにつく。
パーシーが最初で、次にウィーズリーおじさん、フレッドとジョージ、サクヤ、おばさんとジニーの順で消えて行った。
残されたハリーとロンもそれに続こうと柵に向かって歩き出し、1m前からは走り出した。
そして――

ガッツーン!
2つのカートが柵にぶつかり、後ろに跳ね上がった。
2人が柵を通れずに立ち往生していると、ついにホグワーツ行きの特急が出る時間になってしまった。
ハリー達は肩を落としたが、ウィーズリー氏が取り付けたフォード・アングリアのあの機能を思い出し、急いで車の元へ引き返した。







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