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ミクを背負って帰宅したらめーちゃんがいて
ある日突然ルカも箱入りでやってきて
一緒に銭湯行って帰ってきたらレンがいる状態とかなにこの急展開!
それについていける私はもしかしたら大物なのかもしれない!

さて、おさらいが終わったところで
レンくんにいろいろツッコんでみよう。

「リンは?
ねぇリンはどこなの?
君たち双子が同じところにいないとかありえないんだけど。
あ、トイレ?トイレに行ったの?
このあたりだと公園の公衆便所か…臭いよあそこ。
よし、レンくん、リンちゃんを呼んできてよ!
二人並んだ姿を3次元で見隊!」

そもそもボカロはトイレに行かないとかそういうツッコみはナシね。
…いやネタは置いといて、
リンはまじでどこにいるんだろう…?

「っていうか、自力でここまできたの?」

とりあえず家にあがってもらった。
ゆっくりと話を聞こうじゃないか。
聞きたいことが多すぎる。

「ここに行けって、そういう信号が出てた」

レンはリビングに正座して、冷静にそう言った。
このレンは…ひねくれてる…いや、ちょっとスレてるな。
とても「レンきゅん!」だなんて呼べる気がしないわ。

「誰から?」

「…知らない」

うーん、ボカロを問答無用で半強制的に動かせるような電波信号的なものでもあるんだろうか…?
話ぶっ飛んでるけど、この連載1話目からかなりぶっ飛んでるからもうなんでもアリかい。

たとえばキーボードの「A」を押せば「あ」と打てるように、
至極当然、その信号に従ってるんだろうなぁ。
ボカロはあくまで機械ってか。ふざけろ。

「それで、リンはいないの?」

「いないよ。ここには」

ここには?

「別のどこかにいるの?」

「鏡の、中に」

レンはそう言って胸のあたりを押さえた。
部屋の隅に置いてある姿見では、レンはレンとして見える。当たり前だけど。

“鏡”って、抽象的な…比喩表現か。

「鏡音、か」

まさにその名の通りだよなぁ。
でもリンにも会いたい。
リンとレンはやっぱりそろってなきゃ。

「何処から来たか分かる?」

「…分からない、覚えてないんだ」

必死に考える風に見えるから、レンが嘘をついてるとは考えにくいな。

「それで、その信号とやらは、
『この家に行け』以外は出てないの?」

「うん」

「他に行くところとかあるの?」

「ないと思う」

「ふむ…!」

つまりそれってレンもこの家に置いてもいいって事だよね!!
例え違ってももうそういうことにしちゃうからね!!

「レン、お前、私がもらったから」

「…えっ?」

「いいでしょ?めーちゃん」

「もちろん」

「ミク?」

「当たり前!」

「ルカ?」

「仕方ないわね」

はい決定。

「いや、えっと…」

一人拍子抜けした男子いるけどね、気にしないね。

「………。
…あ、あの、」

ずっと正座してたレンがぴんと背を正した。

「ふつつかものですが…」

レンっきゅうううううううんん!!!

やっと叫べる状態になった!!
ふはは、この家族のあたたかさの片鱗を知ったか!!
そのへんの家族なんかよりもずっとあったけーぜ!

「はぁはぁはぁ」

「…あの、離れて…」

出会って数分でハグまで持ち込めるとか!
もしかしたら私は以下略!

「やだ、レンが私のことマスターって呼んでくれないと離さない!」

ぎゅ〜っとハグハグ。
少年いいよ少年!

「そ、そんないきなり…!」

「へへっ、嘘うそ!
追々呼んでくれたら嬉しいよ」

強制して呼ばせるとか好きじゃないわ。
ハグ解放。

「………」

…ジト目視線を感じる…!
発信元は誰とかそんな無意味な詮索はしないけどきっと出どころはピンクのあの人。

「れ、レンは渡さないよ!」

ガッともっかいハグ。

「むしろマスターを渡しなさい」

レンをハグする私をハグするルカ。

「あたしもっ!」

ミク便乗きましたーっ!

「………」

ひしっ、と。効果音つく感じで、めーちゃんが頬を染めてハグついてきた。

私ハーレム状態ktkr!!
いや、はたから見れば、完全にレンのハーレムだが、
超個人的に 私 が ハーレム!!

「っし、今日は飲むぞー!」

テンションが上がってまいりました!





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