[> 5



ふっふっふ…最近では激減していると言われる銭湯…
ウチの近所には昔ながらの銭湯がいまだに残っているのさ…!

「煙突高ぁーい!」

そう、“昔ながら”なので煙突もあるのです。
スーパー銭湯とかじゃ煙突ないらしいじゃない。
それなんか風情がないよねって思うのは私だけだろうか。

中へ入ってみると、
絵にかいたようなおばあちゃんが番台に座ってこっくりこっくり微睡みを彷徨っていた。

「すみませーん。
大人3人と子供1人お願いしまーす」

4人分の料金を置く。

「あぁ…はいはいありがとう。
ゆっくりしていってね」

おばあちゃんはくしゃっと人懐っこい笑顔でそう言ってくれた。
っていうかごめん。
ゆっくりしていってね のフレーズ聞くと某腋巫女と某白黒がポッと出る件。

「子供料金…子供…こどっ…」

こうかは ばつぐんだ!
16歳って子供…だよね…ミクさん?
まぁおばあちゃんが何も言わなかったんだし、おっけーよね。

「誰もいないわね…」

めーちゃんが脱衣所を見渡して言った。

「まーねー、今どき銭湯にお風呂入りに来る人なんて少ないし。
それに数少ない銭湯派の人も新しくできた方に行っちゃうからね」

私は「古き良き」って感じのするこっちのが好きだけどね。

「しかしラッキーだなぁ!
こんなでっかい風呂を貸し切りなんて!」

扉をスパーンとあけると人一人いない浴室が広がっていた。

「すごーい!」

ミクとルカが感動して走りだした。
もちろん真っ裸で。シュールw

「っていうか転ぶなよー!」

って言ったそばからミクが宙を舞ってるー!!

ざっぱーん。

宙を舞う つっても、転んだのではなく、浴槽に飛び込んd

「ってなにやっとんじゃー!!」

慌ててミクを引っ張り出す。

「?」

「ミク、みんなが使うこういう場所は、綺麗に使うものなのよ」

めーちゃんが説明してくれた。

「身体を洗って綺麗にしてから入ろうね?
あと飛びこまないこと!」

「はーい!」

やっべぇテラ素直かわいい。

「ルカも、分かった?」

ルカに振り返ると、コクッと頷いた。
うんうん。言えば分かる子たちなんだよな。


「メーコ、ミク。ちょっと」

身体を洗おうとすると、
ルカが二人をちょいちょいと手招きした。

「あれ、なに、私は?ハブられた?」

もしかして : 仲間はずれ

(´・ω・)?
(´・ω・)・・・
(´・ω・`)しょぼーん ←今ここ

こんな感じ。

「…いい?」

読唇術(要はガン見)を使ってルカの唇を読み取ると、話のカタはついたみたいだ。
めーちゃんとミクは頷いた。

そして3人がこっちに一斉に振り返った。
なにこれこわい!

「マスター!
あたし頭洗ったげるね!」

「え、まじで!?
いいの?ありがとー!」

めーちゃんが頭洗ってくれるんだってさ!

「うおおお気持ちいー…
気持ちいよめーちゃんまじうまいなぁテクニシャン…」

(*≡ω≡*)まさしく今こんな顔。
わしゃわしゃと至福の一時を過ごすと、
ざっぱー と現実に引き戻された。

「あたしは上半身!」

ミクがタオルを構えた。

「え、あ、いいよ身体は自分で洗うかr」

「背中だけ背中だけー」

泡立てたタオルで背中を洗ってもらった。
いやしかしなんでこう人に洗ってもらうとこんなに気持ちいいんだろう。

「…と思わせておいて前も洗うー!」

「なにそのオチぃぃいぃいい!!
なにこのデジャヴぅぅうぅうう!!!」

いつか我が城で受けた凌辱…!

「っはー、っはー…!」

まさかの2度目の生乳揉まれ。

「そしてわたしが下半身」

「えっ…は?ちょっ…っていうかなんでルカが下半身なのなんかヤな予感しかしないうわうわうわしかも手で洗うのタオルとかじゃないのまじで」

ルカが下半身担当とかもう狙ってるよね絶対。
まじで貞操の危機な私…!

「じゃんけんで決めたのよ…仕方ないわね」

めーちゃん苦笑いで済まさないで!
他人事だと思いやがってちくせう…っ!

しかもなにこのルカの洗い方w
侍ってるみたいってか完全侍ってるよね私に跪いてるよね
これだけ見ると私が主導権握ってるようだけど
明らかにルカさん主導ですよねどういうことですか

「ってなんで足の裏を丁寧に洗ってんのくすぐったいからあははは」

「足の裏弱いの?」

足の指と指の間を人に執拗に触られると誰だってくすぐったいと思います先生!

「ふぉぉ…!
ちょっ、ちょっと待とうかルカ様…!」

手つきがやらしいのは最初からだけど
さすがにその手つきで内腿まで洗われるのはアレだよね。
R-18の域に入りそうだようん。
っていうか手つき関係なしでR指定少しは入るんじゃねーの。

たしっ と手を掴んで懇願した。

「七華かわいい」

「っ!?」

ルカがくすっと笑うもんだから顔が火照っ…

「はいストップ」

なんか波に流されそうになる寸前でめーちゃんがルカを止めた。
めーちゃん、心の底のさらに深くの裏側からありがとうを叫びたい。

「続きはR指定つけてもらってからヤりなさい」

「めーちゃぁぁあぁああぁん!!?」

な ん か 裏 切 ら れ た 感 が
あ る の は 気 の せ い か 。

「まぁ、ミクの前だし
今回はここまでにしておこうかしら」

ミクが私以上に真っ赤になってるのを見てルカは手を引いた。

っはー…よかったマジ危なかった私しっかりしなきゃマスターだろ…

俺めげないZE!


そっからはちゃんとKENZENな入浴でしたよええ。
まぁ私がマスターとしてしっかり取り仕切ったからでしょうね。ええ。
やればできるんです私。…きっと。


日がどっぷり沈んだ頃に、
たぶん今日一番体力を使ったお風呂タイムも終了し、
みんなぽかぽかな身体で帰路についた。

みんなに洗ってもらって
ぴかぴかすぎる私。
めーちゃんのシャンプーはクセになるかもしれない。

「湯冷めしないうちに家帰って寝ちゃおうね?」

「「「はいマスター!」」」

うんうん。


自宅のマンションにつくと
ピンポーン.と、エントランス玄関で誰かがインターホンを鳴らしていた。

部屋番号を見ると私たちの家の部屋番。

「あの、私に何か御用ですか?」

そう言って、手の主を見てみる、と…

ちょっ!!?レン!!!?

「?」

暗がりでよく見えなかったけど、
その金髪、その髪型、そのショタ!
まさしく鏡音さん!!



…ん?





「あれ…リンはどこ…?」




>>To be continued

( 22/33 )
[まえ] [つぎ]
[もどる]
[しおりをはさむ]




- ナノ -