[> 5



ピンポーン.ピンポーン.

誰じゃこんな夜遅くに
この癒しの時間を妨げる輩は!!

「はぁーい…」

2回インターホンが鳴るのは
玄関口で押されたインターホン。
当マンションはオートロックなので、
部外者がこの玄関まで上がってくることは不可能。

…ご近所さんかな?
夕飯の余り物とか、よくもらうし。


一応JKの一人暮らししてる身なので、
護身術は学んである。
まずは覗き穴から外を窺うんだ…。
どんな人物かをこの小さな穴から
瞬時に判断しなければならな…ってアレ、誰もいない。

ごしんじゅつその2。
見知らぬ人などの場合はチェーンロックをかけて
少し扉を開ける。
…ふむ、普通に開けても大丈夫そうだ。人の気配もない。

「そーっと、ね…」

恐る恐る開けてみる。

「あっれ、誰もいない…」

ピンポンダッシュ?
今どき流行んないのに。

廊下を見回しても誰もいない。

「ん?」

視線を下にやると、ひと一人
入れそうな段ボールが。

え、なんぞこのデジャヴ。

見知らぬ人が家の前に置いてった段ボールとか
ちょっとかなり怖いけど、
でも私の知的好奇心がry

「マスター、どうしたの?」

心配してくれたのか、
ミクとメイコが玄関口まで来てくれた。

「これ…」

指で段ボールを示す。

「?」

「あたしの時と、同じ…」

ミクが不安げに言った。

ってことは…、

私がミクを拾ったとこを見ていて
なら自分のも…的な、
自己中なものの考えで
ここを要らなくなったVOCALOID集積所とかに
しようっていう輩の仕業…?


とか、考えすぎ。だよね…?


いつかの時みたいに、
引け腰で段ボールの口を開けていく。
なんでだろ、私の口もだんだんと…。


今度は廊下の明かりに照らされて、
しだいに箱の中が明るくなっていく。



その段ボールの中に入っていたのは…



「っ……!」




れるようにう歌姫だった―…。







>>To be continued

( 12/33 )
[まえ] [つぎ]
[もどる]
[しおりをはさむ]




- ナノ -