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「何、この可愛い物体!!!」
正座して“私をこの家に置いてください”って…っ!
えっと、ミクは私の嫁宣言してもおkっすか?
むしろ嫁いできたktkr!
「もっちろん!
いいに決まってんじゃん!
こちらこそ、よろしくお願いしまっす!」
正座ミクに向かい合って正座して、
そう言って深々とお辞儀。
これぞ日本の和。
…和と、いえば、和食。
そろそろ腹時計が鳴っている!
「さってと。
今日の夕飯、何が食べたい?」
私は立ちあがってエプロンをつけた。
今日びエプロンwwとか思うなよ!?
制服に油とか飛んだらいやじゃないか!
「夕飯…」
メイコとミクが顔を見合わせた。
何、“夕飯”って単語知らないの?意外。
「夕飯ってのはね、
夕方の…むしろ夜の食事をとるときのことを言うんだよ、で、」
「マスター、それくらい知ってるわ。
それにそれ説明になってないし」
先生…!めーちゃんが毒舌です…っ!
「じゃ、なんで顔見合せたの?」
「あたしたち、VOCALOIDは食事を必要としないの」
え。
「だから、マスターは自分の分だけ作って?」
「やだ。」
「…は?」
「食べるって機能は付いてるでしょ?」
「うん」
「なら一緒に食べよ?」
じゃないと、寂しいじゃないか。
「「(…何、この可愛い物体…!)
はいマスター!」」
いい返事だ!
*****
「でも、マスター、
食費とかあたしたちの分、
お金かかるんじゃ…」
ミクが心配してくれたよ!
「うん…。
とりあえずネギ代と酒代は
大幅なアップになるね」
「「(そこ視野に入れてくれた!!)」」
「たぶん大丈夫、かな…。
ちょっと癪だけど、
両親からの仕送りを増やしてもらおう」
「大丈夫なの?
マスターのご両親の家計は…?」
「うん、それなりの金持ちだから。
お金はいつでもいくらでも増やしてやる
って豪語してたくらいだし、
今はそれに甘えちゃえ!みたいな」
じゃなきゃあ、娘の一人立ち練習に
こんな広いマンション宛がわないっしょ。
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