The ounder of rphan T 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




もうすぐクリスマス。

12月も半ばのある朝、サクヤは目を覚ますと、外を見て驚いた。
ホグワーツが深い雪におおわれ、湖がカチカチに凍りついていたからだ。

「ハルっ!起きろ!雪だ!」

ハーマイオニーを叩き起こし、外を見せる。

「オレ雪だるま作ってくるっ」

サクヤはガウンをひっ掴んで出て行った。
いつも起きる時間より1時間早くの事だった。
ハーマイオニーはそのまままた眠りについた。

サクヤが夢中になって雪だるまを作っていると、不意に体が暖かくなった。
誰かがローブを掛けてくれたらしい。

「ハリー!」

そう、ローブを掛けてくれたのはハリーだった。

「おはようサクヤ。
朝起きて外を見たら君がいたから出てきちゃった。
パジャマにガウンだけじゃ寒いだろう?手が真っ赤だ」

「そんなの気にならないよ!

――はいコレ。
魔法でとけにくいようにしたから、談話室にでも飾ってくれ!」

そう はにかんでハリーに手のひらサイズの雪だるまを渡す。

「ありがとう。かわいいね!
僕の部屋に飾っていい?」

「もちろん」

互いに笑い合っていると、後ろからマルフォイが現れた。

「おやおや、魔法界の有名人が雪だるまですか。
微笑ましいですねぇ」

珍しくお供がいない。

「マルフォイ!」

ハリーは弾かれたように立ち上がった。

「はい!ドラコにもやる!」

サクヤは喧嘩になる前に仲裁に入った。

「とけにくいように魔法かけといたから。どっか飾っとけ」

半ば押し付けるように雪だるまを渡す。

「じゃ、そろそろ戻んないと朝食に間に合わないから」

マルフォイに手を振り、ハリーの背中を押してグリフィンドールの談話室に戻った。

「(なんでマルフォイはあんな時間にあんな所にいたんだろう…?)」

そう思ったのはハリーだ。
理由が自分と同じだったという事に気付くのに、時間はかからなかった。

「ハリー、ローブ暖かかったよ!ありがとう」

談話室に着き、ハリーにローブを返す。

「じゃあ、着替えてくるね。
また後で」

そう言ってサクヤは自分の部屋に戻っていった。
ハーマイオニーにプレゼントする雪だるまを持って。

その後ろ姿をハリーがしばらく見つめていた事は、本人さえも気付かない。






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