The ounder of rphan T 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




クラスが終わった時、ロンは最悪の機嫌だった。

「だから、誰だってあいつには我慢できないっていうんだ。
まったく悪夢みたいなヤツさ!

サクヤだってそう思ってるんだろ?
君も最近僕らといる。
あいつといるのはもう我慢できないから。だろ?」

「え?何?」

ハリーを挟んでロンの隣のサクヤは、
なぜ自分が呪文無しで羽を浮かせられたかについて考えていたので、ロンが何の話をしているか分からなかった。

「ハーマイオニーだよハーマイオニー!
あいつ、悪夢みたいなヤツだと思わないか?」

するとサクヤとハリーの間を、誰かが追い越していった。
ハーマイオニーだ。――泣いている!

「なっ、」

「今の、聞こえたみたい」

とハリー。

「それがどうした?」

ロンも少し気にしていたが、
「誰も友達がいないって事はとっくに気がついているだろうさ」と続けた。

「…友達がいない…?
…悪夢みたいなヤツ…?」

サクヤは俯き、声を押し殺して呟いた。

「…サクヤ…?」

ハリーはサクヤの、そのドスの利いた声に少したじろぐ。

「てめぇ!本当の悪夢がどんなか知らねぇくせして粋がってんじゃねぇ!!
友達がいない?っざけんな!
じゃあ今アンタの目の前にいるヤツは何なんだ?あ?
ハーマイオニーの友達に決まってんだろうが!!」

サクヤはロンの胸ぐらを掴み叫んだ。

そして俯き、唸る。

「…ロンだって、友達なんじゃねぇのかよ…
ハーマイオニーの気持ち、もう少しくらい、真面目に考えろよ…」

ロンの襟から手を離し、目を擦る。
袖には濡れた染みが付いていた。

サクヤはハーマイオニーを追って走っていき、そこには沈黙が流れた。

「サクヤ…泣かせちゃった…」

ロンの呟きが、やけに大きく聞こえた。

「次、サクヤとハーマイオニー見つけたら、謝ろうね」

ハリーはロンに言い、ロンは頷いた。






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