The founder of orphan T
-総受男装ハーマイオニー百合夢-
「さあ、ではやってみましょう!
ビューン、ヒョイですよ!」
みんな一斉にやり始めた。が、やはり難しい。
とても軽い羽でさえも、誰も上がらない。
「ウィンガディアムレヴィオーサ!」
ロンは長い腕を振り回して叫んでいた。
ハーマイオニーは慌てて止めに入る。
「言い方が間違ってるわ。
ウィン・ガー・ディアム・レヴィ・オー・サ。
"オー"を長くきれいに言わなくちゃ」
「そんなによくご存知なら、君がやってみろよ」
ロンはヤケクソだ。
ハーマイオニーは杖を振って呪文を唱えた。
「ウィンガーディアムレヴィオーサ!」
すると羽は机を離れ、頭上1,2mぐらいの所に浮いた。
「ぉお!ハルすごい!」
「オー!よくできました!」
フリットウィック先生も拍手して喜んだ。
「よーし、オレだって!」
サクヤは目を閉じ、深呼吸をして意識を杖に集中させた。
「おー…」
みんなが感心の声を出していた。
「(また誰か成功させたんだな…)」
サクヤは呪文を唱えようと目を開けた。
――みんながサクヤを見ていた。
「…ミス・フェリックス、よくできました!」
「へ?」
サクヤは驚いた。
まだ羽を浮かせていないのに。
「サクヤっ、上、上!」
隣のネビルは頬を紅潮させて興奮していた。
「上?」
サクヤは上を見た。
…羽が浮いている。遙か彼方で。
「あれ、サクヤのだよっ!
すごいや!!」
サクヤは机の上を見たが、何もない。
本当に浮いてしまっている。
「え、だってオレ、何も唱えてないよ」
「だからすごいんだ!
君は飛行訓練や妖精の魔法とか…浮遊術が得意なんだね!」
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