The ounder of rphan T 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




「――オレのせいだ…っ
オレが、もっと上手くキャッチして、もっと上手くネビルを掴んでいれば…!
もっとオレが、ちゃんとしていれば…!」

サクヤは目を強く瞑り、拳を震わせた。

「あなたが気負う事はありません。
誰もあなたを責めたりしませんよ。
むしろ感謝するくらいです。
あのままのスピードで落ちていたら、どんなに大怪我を負ったでしょう。
元気を出して」

マダム・フーチはサクヤの肩に手を置き、なだめた。

「私がこの子を医務室に連れていきますから、その間誰も動いてはいけません。
箒もそのままにして置いておくように。
さもないと、クィディッチの『ク』を言う前にホグワーツから出ていってもらいますよ。
さあ行きましょう」

涙でグシャグシャの顔をしたネビルは、先生に抱きかかえられるようにして歩いていった。

二人がもう声の届かないところまで行った途端、マルフォイは大声で笑い出した。

「あいつの顔見たか?あの大まぬけの」

他のスリザリン寮生たちもはやし立てた。

「ごらんよ!ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ」

マルフォイは落ちていた思い出し玉を高々と上げた。

「ドラコ、その言い方はひでぇよ…!」

サクヤがひどく傷ついた目で見ると、マルフォイは少しひるんだ。

「マルフォイ、こっちへ渡してもらおう」

ハリーの静かな声とサクヤの言葉に、周りは3人に注目した。

「…それじゃ、ロングボトムが後で取りにこられる所に置いておくよ。
そうだな――木の上なんてどうだい?」

ハリーの割り込みでいつもの本調子を取り戻したマルフォイはヒラリと箒の乗り、飛び上がった。

「ここまで取りに来いよ、ポッター」

ハリーは箒をつかんだ。

「ダメ!フーチ先生がおっしゃったでしょう?
動いちゃいけないって……サクヤ?」

サクヤは手でハーマイオニーを遮った。

「ハル、今のハリーに何を言っても無駄みたいだよ」

「でも…!」

サクヤはニッと笑う。

「大丈夫!
何かあってもオレが責任とるから!
ハリー!行くぜ?」

「うん!」

サクヤとハリーは飛び上がり、マルフォイと向き合った。
ハリーが叫ぶ。

「こっちへ渡せよ。でないと箒から突き落としてやる!」

「へえ、そうかい?」

マルフォイはひきつりながらも、せせら笑った。







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