The ounder of rphan X 
 -総受男装ハーマイオニー百合夢-




「聞いてくれ」

ハリーが言うと、みんなたちまち静かになった。

「僕……僕、何も謙遜するとか、そういうわけじゃないんだけど……僕はずいぶん助けてもらって、そういういろんなことをしたんだ……。
サクヤにだけじゃない、本当に、他のたくさんの助けを借りて……」

「ドラゴンのときは違う。2人だけで、他に助けはなかった」

マイケル・コーナーがすぐに言った。

「あれはほんとに、かっこいい飛行だった……」

「うん、まあね――」

ハリーは、ここで否定するのはかえって野暮だと思った。

「それに、夏休みに『吸魂鬼』を撃退したときも、誰もあなたを助けやしなかった。あのときは本当にあなた1人きりだった」

スーザン・ボーンズが言った。

「ああ」

ハリーが言った。

「そりゃ、まあね、助けなしでやったことも少しはあるさ。
でも、僕が言いたいのは――」

「君、のらりくらり言ってそういう技を僕たちに見せてくれないつもりかい?」

ザカリアス・スミスが言った。

「いいこと教えてやろう」

ハリーが何も言わないうちに、ロンが大声で言った。

「減らず口叩くな」

「のらりくらり」と言われてカチンと来たのかもしれない。
とにかく、ロンは、ぶちのめしてやりたいとばかりザカリアスを睨みつけていた。ザカリアスが赤くなった。

「だって、僕たちはポッターとフェリックスに教えてもらうために集まったんだ。
なのに、ポッターは、本当はそんなこと何にもできないって言うし、フェリックスはここに顔も出さない」

「そんなこと言ってやしない」

フレッドが唸った。

「耳の穴かっぽじってやろうか?」

ジョージがゾンコの袋から、なにやら長くて危険そうな金属の道具を取り出しながら言った。

「耳以外のどこでもいいぜ。
こいつは別に、どこに突き刺したってかまわないんだ」

フレッドが言った。

「さあ、じゃあ」

ハーマイオニーが慌てて言った。

「先に進めましょう……要するに、ハリーとサクヤから習いたいということで、みんな賛成したのね?」

ガヤガヤと同意を示す声があがった。
ザカリアスは腕組みをしたまま、何も言わなかった。
ジョージが持っている道具に注意するのに忙しかったせいかもしれない。

「いいわ」

やっと1つ決定したので、ハーマイオニーはほっとした顔をした。

「それじゃ、次は、何回集まるかだわね。
少なくとも1週間に1回は集まらなきゃ、意味がないと思います」

「待って」

アンジェリーナが言った。

「私たちのクィディッチの練習とかち合わないようにしなくちゃ」

「もちろんよ」

チョウが言った。

「私たちの練習ともよ」

「僕たちのもだ」

ザカリアス・スミスが言った。

「どこか、みんなに都合のよい夜が必ず見つかると思うわ」

ハーマイオニーが少しイライラしながら言った。

「だけど、いい?これはかなり大切なことなのよ。
ヴォ、ヴォルデモートの『死喰い人』から身を護ることを学ぶんですからね――」

「そのとおり!」

アーニー・マクミランが大声を出した。
アーニーはもっとずっと前に発言があって当然だったのに、とハリーは思った。

「個人的には、これはとても大切なことだと思う。
今年僕たちがやることの中では一番大切かもしれない。たとえOWLテストが控えていてもだ!」

アーニーはもったいぶってみんなを見渡した。
まるで、「それは違うぞ!」と声がかかるのを待っているかのようだった。
誰も何も言わないので、アーニーは話を続けた。

「個人的には、なぜ魔法省があんな役にも立たない先生を我々に押しつけたのか、理解に苦しむ。
魔法省が、『例のあの人』が戻ってきたと認めたくないために否定しているのは明らかだ。
しかし、我々が防衛呪文を使うことを積極的に禁じようとする先生をよこすとは――」

「アンブリッジが私たちに『闇の魔術に対する防衛術』の訓練を受けさせたくない理由は――」

ハーマイオニーが言った。

「それは、アンブリッジが何か……何か変な考えを持ってるからよ。
ダンブルドアが私設軍隊のようなものに生徒を使おうとしてるとか。
アンブリッジは、ダンブルドアが私たちを動員して、魔法省に楯突くと考えているわ」

この言葉に、ほとんど全員が愕然としたが、ルーナ・ラブグッドだけは、声を張りあげた。

「でも、それ、辻褄が合うよ。
だって、結局コーネリウス・ファッジだって私設軍団を持ってるもン」

「え?」

寝耳に水の情報に、ハリーは完全に狼狽した。

「うん、『ヘリオパス』の軍隊を持ってるよ」

ルーナが重々しく言った。

「まさか、持ってるはずないわ」

ハーマイオニーがぴしゃりと言った。

「持ってるもン」

ルーナが言った。

「『ヘリオパス』ってなんなの?」

ネビルがきょとんとした。

「火の精よ」

ルーナが飛び出した目を見開くと、ますますまともではない顔になった。

「大きな炎を上げる背の高い生き物で、地を疾走し、行く手にあるものをすべて焼き尽くし――」

「そんなものは存在しないのよ、ネビル」

ハーマイオニーがにべもなく言った。

「あら、いるよ。いるもン!」

ルーナが怒ったように言った。

「すみませんが、いるという証拠があるの?」

ハーマイオニーがバシッと言った。

「目撃者の話がたくさんあるよ。
ただあんたは頭が固いから、なんでも目の前に突きつけられないとだめなだけ――」

ェヘン、ェヘン

ジニーの声色がアンブリッジ先生にそっくりだったので、何人かがはっとして振り向き、笑った。

「防衛の練習に何回集まるか、決めるところじゃなかったの?」

「そうよ」

ハーマイオニーがすぐに答えた。

「ええ、そうだった。ジニーの言うとおりだわ」

「そうだな、1週間に1回ってのがグーだ」

リー・ジョーダンが言った。

「ただし――」

アンジェリーナが言いかけた。

「ええ、ええ、クィディッチのことはわかってるわよ」

ハーマイオニーがピリピリしながら言った。



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