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「ちょっ…!」

2人がかりで持ち上げ、落下防止柵の向こうに降ろされる。

「危ない危ない!!
マジ落ちる!!!」

「あれ?
落とそうとしてるのにそんな言い方はヘンだろ?

おい、靴は脱がしとけ。
靴履いたままだとリアリティー無ぇからな…クク」

…ぅおい。
オレ自殺するんですか?
他人に自殺させられるんですか?
それはつまり…

NO〜〜〜〜〜〜!!
おちつけオレ!
今は生き延びる方法を考えろ!!
落ち着け…落ち着け…
…落ち着いた。

「お前らこんなトコで人殺していいのか?
このマンション、セキュリティー高ぇんだぜ?

…こんな数、簡単に面割れるぜ?」

オレの必殺"睨み"と共に言ってみる。


お。必殺ワザ仕掛けてよかったv
リーダー格以外は殆ど逃げ出しやがったv
やっぱ大勢いると、玉無しが多いんだなっv

残りは三人!
どうやって追っ払おう…?


この縄チョット緩いな…
引っ張れば抜けるかも…!

「はっ、所詮臨時の部下達は使えねぇっつーワケか…」

「うるせぇ、腹心の部下は
お前の所為でほとんどが
今病院だ」

ちょっとでも話を引きのばさねぇとな。

「残念だったな?

残りの部下2人で何が出来るっての?」

「そうだな…
少なくともテメーをそっから突き落とすくらいは出来るだろうよ」

「………」

もうちょっと…!

「いくらテメーが強くたって、
手足使えなきゃ3対1じゃ勝てねぇだろ?」

よし!とれた!!

「あー、それって詰まるところ、

手足使えりゃオレは勝てる

っつー事だよな?」

素早く足の縄も解き、柵の内側へ戻って
部下AとBをちゃちゃっと片す。

「!!

…早業だなぁオイ、怖ぇ怖ぇ」

ワザとらしく両手を挙げるリーダー格。

「残りはアンタだけだ!
今なら見逃してやってもいいぜ?」

「なめられたもんだぜ…
何もテメーだけが最強なんじゃねぇ…

俺にはメリケンサックがあるぜ!!」

リーダー格がメリケンを嵌め
咲矢に殴りかかる。
咲矢は上手くかわしながら反撃を繰り返す。

「どうしたどうしたァ!?
前、俺の縄張りに踏み込んできた時より弱くなってねぇか!?」

…やべぇな…
さっき後ろから抑えられた時に腰痛めたか…?
立ってるのさえも辛い…!
部下A・Bは一発で片せたから良かったが、
リーダー格は流石に一発では片せねぇ…!


ガシャン…!
「!!
(柵か…!)」

「追い詰めたぜぇ…!!
部下共は別だが、俺は今までに何人も殺してきた!
今さら一人増えようとも関係無ぇ!!」

リーダー格の手が咲矢の首にかかる。

「俺は慈悲深いからな…苦しませて死なせねぇ」

リーダー格はそのまま咲矢を後ろへ押し倒していく。

「ぐ…ぁ…!!!」

「死直前に空のDiveなんて洒落てるだろう?」

ズル...

「ゃ…め……ッ」

「やめるかよ…!
こんなに楽しいのに…!!」

そうか…やっと気付いた…

コイツ…

「さみしい、のか…?」

「!!」

「だから強がって、
だから暴れて、

だから道…外れ、ちまったんだな…」

咲矢はリーダー格の手を優しく掴む。

「……やめろ…」

「………」

「…そんな目で俺を見るな…!」

「………」

「…そんな風に…!


今更…触んな…!!

餓鬼のくせにィィイ!!!」



男は咲矢を、
 突き落とした。




「人殺しは、
オレで最後な…」


「………」


ヒュウウウウゥゥゥゥゥウ・・・










オレ…

死ぬ、のか…?





はは、最後にちょい、
カッコつけ過ぎたな…

アイツの最後の顔、
一生懸命さみしさを隠してた顔だ…

苦しいんだろうな…
















…なあ、
オレ…まだ死ねねぇよな?




………マジ、
こんなトコで…





「死んで、たまるかァ!!!」




母さん独りにさせられっか…!!

兄貴を一人っ子にさせられっか…!!

ジャーニーの世話どうすんだ…!!

学校の連れに悲しませたくないだろ…!!



それに…









「まだBLEACH最終回してねぇんだよーー!!!」








…あれ、
優先順位違うか?


でも、
そんな事どうでもいい!!




兎にも角にも!!


なによりも!!




「死にたくねぇぇえぇえ!!!」
































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